海外サッカーPRESSBACK NUMBER
「すぐ潰された」20歳FW貴田遼河がアルゼンチンで浴びた洗礼…ロス五輪世代FWなぜ南米に移籍? 殺伐としたスタジアムで「まったく通用しない」と痛感した日
posted2026/03/20 11:01
アルゼンチン1部移籍後、初ゴールをマークした貴田遼河。待望の1点は身体を投げ出して決めた泥臭いゴールだった
text by

茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Aaajoficial
高原直泰以来となる、アルゼンチンリーグでの日本人スコアラー。
そんな触れ込みで今、熱心なサッカーファンの注目を浴びつつあるのがFW貴田遼河である。ディエゴ・マラドーナが幼少期に所属したことで知られるアルヘンティノス・ジュニアーズに所属して3年目。2024年2月の移籍直後に膝の半月板を損傷していることが判明し、日本から遠く離れた地でいきなり5カ月もピッチから離れる失意の時を過ごしたが、兄や家族らのサポートを経て復帰し、2026年1月にトップチームデビューを飾った。
そんな貴田に待っていたのは「ディス・イズ・アルゼンチン」と評した、カオスでタフな熱を帯びたフットボールだった。
アルゼンチンで痛感「試合と練習は別物」
ADVERTISEMENT
――入団直後に判明した膝の半月板損傷が癒えたのは、2025年でした。まずはセカンドチームでのプレーになりましたが、ピッチに戻った頃を簡単に振り返ると?
「最初は体が少し固い部分がありました。ただ僕はやっぱりFWだし、性格的にもゴールを獲ったらプレーが良くなるタイプなので『何が何でも点を取らなきゃいけない』と思っていたんです。その中で初戦(vsボカ・ジュニアーズB)のプレーは別に良くなかったんですけど、ラッキーなこぼれ球からゴールを決められて、結果的にすごくいいスタートが切れたのかなと思いました。あとセカンドチーム時代の監督が、悪い時期があったとしても僕を使い続けてくれたのも大きかった。そんなセカンドチームでの日々が自分を大きく成長させてくれましたね」
――前期・後期でそれぞれ3ゴール、合計30試合6ゴールという成績を残しました。
「正直なところ、結構チャンス自体はありました。だからゴール数はちょっと物足りなかったかなと思っています。ただフィニッシュまで持ち込めていることについては、ポジティブに考えていました。あと実際にアルゼンチンでプレーしてみると、練習と試合での意識に差を感じることがありました」
――というと?
「アルゼンチンでは試合と練習が別物すぎるんです。面白いのは、アルゼンチン人選手は『練習で全然良くないのに、試合でメチャクチャいいプレーを見せる』ことが結構あるんです」
――試合で120%のパワーを出すというのは、アルゼンチンの国民性なのかもしれません。
「そうですね。もちろん練習自体も、すごく強度が高いです。誰もが手を抜いてもいないし、試合のために温存しているとは全く感じないのにそうなるのは少し不思議ですよね」

