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「夢のイタリア、屈した米国」「伊版NHKが急転…地上波放送」WBC躍進イタリア選手関係者のホンネは「賞金4億円超も無視できない」在住記者が聞いた話 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2026/03/16 17:18

「夢のイタリア、屈した米国」「伊版NHKが急転…地上波放送」WBC躍進イタリア選手関係者のホンネは「賞金4億円超も無視できない」在住記者が聞いた話<Number Web> photograph by Takashi Yuge

イタリアのWBC大躍進を伝える現地紙。現地在住日本人記者が選手・関係者にホンネを聞いた

 令和の日本には12万人以上の高校球児がいるが、イタリアの同世代の野球競技人口はどう見積もっても100分の1程度。全年代の競技者とソフトボールの女子選手と合わせてようやく5万人に届こうかという普及度であり、最も社会的影響力のあるサッカーに比べると一般国民の関心やメディアの露出度は著しく低いと言わざるを得ない。

 NetflixイタリアではWBCの大会配信がなく、試合を見るには有料のCS放送SKYイタリアか配信サービスNOWに加入するしかなかった。

 だから、日本のNHKにあたる公共放送RAIの看板番組である夕方のニュースに大会と米国戦勝利が扱われているのを見て、まさかと目を剥き、喝采した同国球界関係者は少なくないはずだ。

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 大会開幕後に代表がブラジルと英国相手に派手な連勝を飾ると、ミラノ・コルティナ冬季パラリンピック中継で忙殺されているはずのRAIはアメリカ戦直前に急遽、地上波での中継を決定。9-1で勝利した最終節メキシコ戦以降の代表戦と、18日の決勝戦の生中継も確約した。

メローニ首相も議会演説で…与野党問わず拍手

 代表チームは野球競技だけでなく、外交の世界でも米国の覇権主義に一泡吹かせた。未明に対戦カードが行われた11日、ミラノの米国総領事館は同市内にある純USA風ハンバーガー・レストランで合同観戦パーティを主催した。試合終了から半日も経った後でのパーティは、つまり米国の勝利を最初から当て込んだ催しだったが、まさかの代表敗北で米国領事の面目は丸潰れとなった。

 世界的戦乱の中でトランプ米国大統領との政治的距離を測るイタリアのジョルジャ・メローニ首相は、議会演説で野球代表チームの快挙に触れ、与野党を問わず拍手で議事堂を沸かせた。イタリア共和国議会で「ベースボール」という単語が使われたのは前代未聞の椿事だろう。

 サッカーの国のマイナー競技ゆえに、日頃日陰の身に甘んじるイタリア全土の野球関係者にとって今回のアッズーリ快進撃と破格の注目度はまさに“盆と正月がいっしょにやってきた”状態なのだ。

イタリア代表選手・関係者に“本音”を聞いてみた

 国内きっての野球どころである北部パルマのベテラン記者、ジャンルイジ・カステラーニ氏も「今朝からひっきりなしに全国メディアの取材攻めだよ」と声を弾ませた。同氏が広報を務める名門クラブ、パルマからは投手クラウディオ・スコッティが代表チームに招集されている。

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