猛牛のささやきBACK NUMBER
「えっ、あの曽谷がWBC?」侍ジャパン大抜擢のドラ1左腕・曽谷龍平25歳ってどんな選手? 担当スカウト「期待よりも不安が…でも曽谷は本番に強い」
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byGetty Images
posted2026/03/05 11:01
WBC日本代表に選出された曽谷龍平(25歳)
当時の曽谷は白鴎大学のエース。大学4年の春季リーグ初戦に登板した曽谷を視察した岡崎は、衝撃を受けた。練習試合で見た姿とはまったく違っていたからだ。
「球速もコントロールも何もかも違った。公式戦一発目にバッチーン!と合わせてこられる、本番に強いピッチャーなんだなと驚きました。この試合絶対大事だぞ、ここで絶対三振取らなきゃいけないぞ、という時にすごい集中力を発揮するんです。左で150キロを投げる投手はプロでも少ないですしね。本当にあの時、『マジで欲しいなー!』と思いました」
スカウトとして初めて惚れ込んだ選手だった。そしてその年のドラフトで、オリックスは曽谷を1位指名する。
昨季は8勝「自信がついたんだと思う」
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ストレートやスライダーのキレはプロの世界でもピカイチ。しかし1年目は四球から崩れる試合が多く、初勝利は10月のシーズン最終戦まで待たなければならなかった。それでも次第に安定感が増し、3年目だった昨年は前半戦だけで8勝を挙げた。曽谷の成長を見守ってきた岡崎はこう語る。
「最初は、プロのレベルでは四隅に投げないと抑えられないというイメージがあったんだと思います。だから、インコースにしっかり投げなきゃいけないとか、アウトコースいっぱいに決めなきゃいけないと思うことによって、余計にぶれてしまった。でも試合を重ねるにつれて、『あ、俺のボールって真ん中でも抑えられるんだ』とか、『スライダーとフォークでちゃんと三振が取れるんだ』というのがわかって、自信がついたんだと思うんですよね。
そうやって場数を踏ませてもらったおかげです。中嶋聡前監督が、いいタイミングで一軍に上げてくれて、相手との相性だったり、そういうものも全部加味して、自信がつくように組んでくれたことも大きかったと思います」
だがプロとしてはまだ優しすぎる面もあると感じている。昨年7月、曽谷が8勝目を挙げた頃、岡崎は曽谷からある相談を受けた。



