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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「侍ジャパンのデータ分析…難しい」「大谷翔平は再現性が高い」元WBC敏腕スコアラーが語るウラ話「野村克也さんのID野球」の“普遍的な要素”とは
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/05 11:03
2017年WBCでスコアラーを務めた際の志田宗大氏
「ずっと当たり障りのないデータを出していても仕方がないと思います。分析者の仕事って攻めていかなきゃいけない時もあるんです。その姿勢が大事ですね」
――2015年に「侍ジャパン」のスコアラーになりました。
「監督が青学大の先輩の小久保裕紀さんだったので『そのつながりか?』と言われましたが、そうではなくて。バッティングコーチの稲葉篤紀さんがヤクルトの先輩で、声をかけてくださいました。この時期、侍ジャパンはNPBエンタープライズという会社ができて、組織を作っている最中でした。スコアラーも新たに起用することになって稲葉さんが『ヤクルトでは志田がいい』と言ってくださったようです」
短期決戦がスコアラーにとって難しいワケ
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――1シーズンを戦うNPBのスコアラーとWBCやプレミア12などの短期決戦のスコアラーではどういう違いがありますか。
「ペナントレースであればデータ量が溜まってきて、“7対3でこちらの方が有利”というような傾向が出てきます。そうなれば誰でも7を選択すればいいわけで、その部分は結構簡単かもしれません。
一方で侍ジャパンの試合は短期決戦で、しかも国際大会。なので、スコアラーの仕事はすごく難しいですね。そもそもデータ量がそこまでない中で、いろんなことを判断して分析しなければいけないんです。
でもその時に、ヤクルト時代に古田さんや先輩の選手、コーチからいろいろ教えていただいたことが役に立ちました。野村克也さんの野球を『ID野球』と言いますが、実は人の心理を読むなど、普遍的な要素がすごく入っているんです。僕はそれを先輩の選手から教わりました。それが、国際大会というデータが少ない現場で、データに過度に依存しないで判断することにつながったのではないかと思います」
WBCではどのような仕事をしたのか
――引き続き、2017年の第4回WBCのスコアラーに起用されました。これは実績が評価されたということですか?
「そうかもしれません。小久保監督とは大学の先輩後輩とはいえ、年齢も離れていて、侍ジャパンに来るまでは、あまり面識はなかったんですが、小久保監督にも信頼してもらったのではないでしょうか?」
――WBCのスコアラーの仕事は、具体的には先乗りスコアラーのようなものですか?

