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「絶望しか残っていませんでした」涙を流す木原龍一を三浦璃来はいかに支えた? りくりゅうの“約束”「どんなことがあってもリフトで落とさない」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byKaoru Watanabe / JMPA
posted2026/03/03 07:00
フリーでの圧巻の演技を終え、氷上で感極まる木原と三浦
「どんなことがあってもリフトで落とさない」(木原)
2月15日、ショート本番。昨季から継続の『Paint It Black』は、高得点を出し続けてきた自信のプログラムだ。冒頭の3回転ツイストリフト、3回転トウループと、リスクの高い要素をきっちり決めた。
「僕達の一番の強みは、加点をもらえるリフト」
演技中盤、そう自負するリフトに臨んだ。右手同士を繋いだ上に、三浦が胴体を乗せてバランスを取る。しかし体勢を変えようとした瞬間、三浦の身体がスルっと逃げるように落ちかけた。木原はとっさに頭で受け止め、リフトとして成立させると、三浦を優しく氷に降ろした。
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結成した7年前から、木原は「どんなことがあってもリフトで落とさない」と宣言してきた。男性の頭上から落ちて怪我をすることで、女性に恐怖心が芽生えてしまう。三浦は以前こう語っていた。
「龍一くんには、練習も含めて、本当に一度も落とされたことがないんです。それは凄いこと。信頼してます」
“三浦の身体を絶対に守る”という木原の信条が、不測の事態を最低限のミスに留めたのだ。その覚悟を感じた三浦は、すぐに気持ちを切り替えた。
「次のスロー3回転ルッツは、絶対に失敗できない。そういう場面は今までたくさん経験してきたので、メンタルは崩れませんでした」
大技を決め、最後まで滑り抜く。しかし木原はうなだれた。得点は73.11点で、首位と6.9点差の5位だった。
絶望の木原に三浦がかけた言葉は…
「点差を見て、絶望しか残っていませんでした。僕の心は折れてしまいました」
そう語る木原に対し、三浦は気丈に振る舞った。
「リフトは阿吽の呼吸で成り立っているので、少しでもズレてしまうと今回のようになります。まぁ運も悪かったかな」
さらっと「運が悪かった」と言ってのけ、引きずる必要はないという姿勢を貫く。これまでの三浦からは考えられないほど、切り替えが早かった。
一方の木原は、言葉が空回りした。
「前を向くしかありません。でも、はああ。なんでああなっちゃったのかな……」
インタビュー中にため息が漏れる。それをフォローするように記者から「6.9点差は逆転可能ですが、どのように切り替えていきますか?」と質問が出ると、木原は少し表情を和らげた。
「ありがとうございます、勇気の出る言葉を。明日は必ずいつもの『りくりゅう』の感じでお話しできるように戻ってくるので待っててください」
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内「僕の心は折れてしまいました」絶望の涙を流す木原龍一を三浦璃来はいかに支え、ペア初の金メダルに導いたのか「今日は龍一くんのために滑るね」「じゃあ僕は璃来ちゃんのために」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。
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