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「大谷を1番にするのか、2番なのか…」WBC侍ジャパン・井端弘和監督が語る「大谷翔平の起用法」打線のカギを握るのは”出塁率オバケ”近藤健介か
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鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/27 17:00
WBC侍ジャパンに合流した大谷翔平。井端弘和監督が考える大谷起用法の構想とは?
22日のソフトバンクとの第1戦で近藤は「1番・右翼」で先発。23日の第2戦は指名打者での出場だったが、打順は1番に固定されていた。
「大谷を1番で起用するのか、2番なのか。それによって3通りくらいのオプションを考えている。ドジャースの関係者に大谷を1番に起用する理由を聞いたら、決してベストではないが(フレディー・フリーマン)と大谷をくっつけたくないという理由での打順だったと話していた」
こう語ったのは井端弘和監督だ。
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大方の予想では大谷に1打席でも多く打順回すためにも、昨年もドジャースで慣れ親しんだ「1番」起用の可能性が高いという声が多い。ただ、その一方で井端監督から以前に聞いたこんな発言が、ずっと引っかかっているのである。
井端監督「大谷の前後がポイント」
「打線では大谷の前後をどうするかが1つのポイントですが、前を打つとしたらやっぱり近藤しかいないと思う。ヒットを打つ技術ももちろんなんですが、近ちゃんはフォアボールもしっかり選べる。彼の出塁率の高さはやはり打線の大きな武器となると思っています」
井端監督の頭には近藤の“出塁率オバケ”ぶりが強烈に刻み込まれているのである。
昨シーズンは腰の故障などで75試合の出場に止まり、出塁率も4割1分(それでもかなり高水準な数字ではあるが……)だったが、ソフトバンクに移籍した2023年は4割3分1厘、24年も4割3分9厘と両リーグを通じて最高出塁率をマーク。日本ハム時代の20年には驚異の出塁率4割6分5厘を記録している。通算出塁率4割1分7厘は王貞治(元巨人、4割4分6厘)、落合博満(元ロッテほか、4割2分2厘)に次ぐプロ野球歴代(4000打席以上)3位で、もちろん現役最高の数字を残している。
大谷がいきなり登場する威圧感は、先制点が大事になる国際試合では侍打線の大きな武器となる。実際にいきなりの一発もあるし、シングルヒットでも盗塁という足の脅威で相手投手にプレッシャーをかけられる。
近藤健介「できれば大谷の後ろは打ちたくない」
ただ、前回大会でも出塁率5割をマークし、ほぼ2打席に1度は出塁を計算できる近藤を前に置けば、大谷の長打力の威力は倍加することになる。井端監督がこの“出塁率オバケ”を最大限に生かす打順は、大谷の前と考えているはずだ。だからこそキャンプの仕上げの実戦2試合で、ソフトバンクでは経験のない「1番」にいきなり抜擢したということだった。
「できれば大谷の後ろは打ちたくないですね。やっぱりプレッシャーがすごいですから」
打順を聞かれると近藤自身もこう語ってきており、監督と本人の思惑が一致した22日のソフトバンク戦ではいきなり「1番」に起用されると、2安打を放って結果も残した。

