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平野歩夢「あの不可解採点」からの“怒りのラン”が切り開いたミラノ五輪の“新時代”…北京でホワイトが託したもの「これからはアユムが」 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2026/02/25 17:00

平野歩夢「あの不可解採点」からの“怒りのラン”が切り開いたミラノ五輪の“新時代”…北京でホワイトが託したもの「これからはアユムが」<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

北京五輪「あの2本目の不可解採点」から平野が決めたランがミラノ五輪の超ハイレベルな戦いを切り開いた。北京の快挙をプレイバックする

「まくったと思いましたけどね……。どうしますかね」

 最終3本目のランを前に、平野は村上大輔コーチと速やかに戦略を練った。平野自身も採点には納得していなかったが、勝つためにどうすべきかを考えるしかない。映像を見返すと、2ヒット目と4ヒット目の着地でズレがあったのが分かり、腹が決まった。2本目と同じ構成で精度を限界まで高める。クリーンに決めれば必ず勝てる。

 自分を信じてスタートした3本目はパーフェクトランとなった。「トリプルコーク1440」の高さは2本目を上回る5.5m。その後も残り4つのトリックで空中姿勢と着地を完璧に決めた。会場が沸き上がる中、スクリーンに映し出されたスコアは96.00点。気迫のこもった平野の演技を目にしたジャッジは、感服するしかなかった。

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「自分にしかできないルーティンをする。それだけを考えていた。高さと着地と完成度をすべてクリーンに出し切れた。五輪に来る前からイメージしていたことを、最後の最後で出し切れて、納得いく形で決められた。自分の滑りに満足できました」

 王者は喜びを噛みしめていた。

わずか半年で成功させた大技

 前人未踏の大技で金メダルをつかんだ平野だが、「トリプルコーク1440」の練習に本格的に取り組んだのはスケートボードで出場した昨夏の東京五輪後というから驚異的だ。昨年10月のスイス合宿、11月のオーストリア合宿で練習を重ね、「1日30〜40本、多い日は50〜60本、その技だけをずっとひたすらやっていた」(平野)。

 練習で最初に成功したのは10月。しかし、完成度はまだまだ低く、安定感がなかった。その後も特訓を積み、12月のDEWツアーで史上初めて大会で成功。今年1月のスイスでのW杯では失敗したものの、その後の米国でのXゲームでは再び成功した。ただ、技単体では成功しても、最後までルーティンを繋げきれたことはなかった。

【次ページ】 スケボー+スノボという武器

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