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「大金を池に投げて気前がいいな」師匠・尾崎将司から“厳しい言葉”を浴びても…ジャンボ塾の門下生なぜ笑顔? ゴルフ界に残した大きすぎる功績
text by

田中宏治Koji Tanaka
photograph byKYODO
posted2026/01/09 06:00
アカデミーを立ち上げるなど後進の指導にも熱心だった尾崎将司(写真は2019年、ジュニアを対象としたレッスン会)
2018年に「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を立ち上げるなど、近年は指導者として、ゴルフ界で変わらぬ存在感を放っていた。昨季はともに第1回のセレクションに合格した西郷真央(24歳)が海外メジャー制覇を果たし、佐久間朱莉(23歳)が国内で年間女王を戴冠。さらにアカデミー設立前から師弟関係だった0期生の原英莉花(26歳)は下部のエプソンツアーから米女子ツアーの出場権を獲得した。
海外メジャー2勝の笹生優花(24歳)、昨季6年ぶりにシード復活を果たした木戸愛(36歳)、初シードを獲得した泉田琴菜(26歳)もプロ入り後に師事。門下生たちは揃って尾崎さんお手製の素振り用の練習器具をツアーに持ち込んでいる。
厳しい言葉のウラにある愛情
彼女たちから伝え聞く、尾崎さんの言葉はなかなか手厳しい。かつて池ポチャで優勝争いから脱落した西郷には「大金を池に投げて気前がいいな」、賞金女王の佐久間には「メジャーは勝ってないのか」と声を掛けている。それでも、選手たちはこうした話を笑顔で明かす。文字にしたのとでは全く違った雰囲気で発せられた言葉なのが分かる。
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自身は道具についてもとことんまでこだわる求道者だったが、事細かに技術的な指導を受けたという話は聞いたことがない。野球経験がある泉田はバットで素振りを見せた際「なんでクラブは同じように振れないんだ」と言われたという。この言葉は飛躍の大きなきっかけになった。型にはめるのではなく、本人が答えに辿り着くまでヒントを与え続けるのが、尾崎さんの指導法なのだろう。
ご存じの通り、尾崎さんはセンバツ高校野球の優勝投手であり、元プロ野球選手。いわゆる昭和の体育会系で育ったはずだ。パーシモンからメタルドライバーへ、時代の変化をいち早くキャッチして、スランプを乗り越えたのと同じように、現代の選手を教えるに当たって、指導者としてもモデルチェンジを図ったことは想像に難くない。


