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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
井上尚弥のピカソ戦「あれが最低ラインだとしたら怖い…」長谷川穂積が“世紀の対決”をズバリ予想「やはり井上有利」「中谷潤人にも“勝てる要素”ある」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byNaoki Fukuda
posted2026/01/07 11:46
挑戦者アラン・ピカソを圧倒した井上尚弥。だがKOには至らず、試合後には「よくなかった」と反省の言葉を繰り返した
「井上尚弥vs.中谷潤人」長谷川穂積の予想は…
長谷川さんは加えて次のような事情もこの試合を難しくしたと見る。
「年間4試合目というのはきついでしょう。しかも前回のムロジョン・アフマダリエフはかなりの実力者でした。井上選手は危機感を抱き、モチベーションも高かった。その直後が『絶対に勝てる相手』というのも難しいですよね。私の目から見てもピカソ選手は『絶対に勝てる相手』でしたから。繰り返しになりますが、そういった状況であのパフォーマンスはやはり信じられません」
モンスターのボクシングに感心しきりの長谷川さんは「KOを逃した」という事実ですら井上の強さになると見た。
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「今回は何がなんでも倒さなくてもいい、というモードに入ったように見えました。アフマダリエフ戦の前までは11連続KO勝利中だったのでKOにこだわりましたけど、前の試合が判定だったから、今回は何がなんでも倒さないでいいや、という感覚はあったと想像します。これは他の選手が井上選手に『より勝てなくなった』ということ。無理に倒しにいかないことで、わずかなスキも生まれないからです」
5月に向けて井上には今のところ好材料がそろう。東京ドームでのビッグマッチとなればモチベーションの心配をする必要はないし、5月であれば心身ともにベストの状態に持っていく時間も十分にある。
長谷川さんはドリームマッチについて「井上選手のパフォーマンスを見ると、勝つ方法があるのかなと思ってしまう」と語り、井上の有利を予想する。
「やはり井上選手と中谷選手では、アイデアや引き出し、対応力といった経験に裏打ちされた力が違う。今、2人が対決すればその差が出るのかなと思います。逆に言うと中谷選手がもっと強い選手と拳を交え、ピンチも経験して数年後に対戦すれば分からない。井上選手といい勝負をするところまでいくんじゃないかと見ています」

