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「ユーキは逸材。でも、タツの成長も大したものだよ」石川祐希を育てたイタリア熱血漢が25歳大塚達宣の未来を予言「タツは自分の道を見つけた」
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弓削高志Takashi Yuge
photograph byTakashi Yuge
posted2025/12/13 11:03
石川祐希を擁するペルージャをホームに迎えたミラノ大塚達宣。石川が欠場したことで日本人対決は叶わなかったが、試合後に言葉をかわした
アリアンツ・クラウドには、イタリア視察中だったSVリーグの大河正明チェアマンの姿もあった。
日本とイタリアの将来的なリーグ間交流に向け、男女それぞれのリーグ機構を表敬訪問した後、石川らを激励しに訪れたものだ。「会場と観客が一体となった応援やチャレンジシステムが印象的だった」と話したチェアマンにとって、セリエA生観戦は大いに刺激になったようだ。
「覚えておけよ」リベンジ誓うミラノ監督
「ペルージャ、強えなあ」
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すべてのファンサービスを終え、会場スタッフが照明も落とそうかという頃、静かになったコート脇で大塚は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
かつてのアイドル、ユーキ・イシカワの帰還にミラノのアリーナは歓声に沸いた。だが、ミラノの“今”を拾い、打つのはタツ・オーツカだ。2年目の自覚が成長を加速させる。
「今年は若い選手がたくさん入ってきた。チームのシステムとかは自分の方がわかっている分、責任もってやらなくちゃいけないと思ってます」
ピアッツァ監督は茶目っ気たっぷりに挑発した。
「ユーキ、今日はやられたが、次の対戦では覚えとけよ」
石川は受けて立ちますよとばかりに、ニコニコと笑って応えた。
彼らの再戦はすぐにやってくる。年明けの1月4日、2026年の“バレー初め”にあたるセリエA第14節だ。

