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「わずか1年で退団…」身長192cm大型セッター永露元稀“電撃移籍の真相”「成長できる場所が広島サンダーズでした」背景に“ある人物”の助言
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2025/10/24 11:01
SVリーグ開幕会見で広島サンダーズの代表として登壇した日本代表・永露元稀(右)。開幕戦は古巣でもあるウルフドッグス名古屋と対戦する
大学時代も多くの出場機会を得た永露は、卒業後にウルフドッグスに加入。高い位置からのトスアップを武器に2022/23シーズンの優勝に貢献し、昨季はさらなるステップアップを求めて大阪Bに移籍していた。
大阪Bでは新戦力ながらリーグ全試合にスタメン出場。レギュラーシーズンは1位という成果も残した。しかし、大阪Bはフランス代表セッターのアントワーヌ・ブリザール(31歳)を獲得。東京・パリと2度の五輪を制した司令塔が加入となれば、永露の出場機会が減る可能性は高い。ブリザールと同じ時間を過ごすことも貴重な経験になるだけに、移籍か残留かの選択に揺れた。
迷う永露の獲得に向け積極的に動いたのが広島サンダーズを率いるハビエル・ウェベル監督だった。
セッター永露を高く評価した名将
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アルゼンチン出身で現役時代はセッターとして4度の五輪を経験。昨季からサンダーズの監督に就任し、現在はアメリカ代表でもコーチを兼務している。
チームはブロック、レシーブとシステムに則ったディフェンス力が向上。東福岡高の後輩でもあるセッター金子聖輝(28歳)が試合を重ねる中でそれまでとは見違えるほどの成長を見せたのも、ウェベル監督の手腕によるものだった。
セッターとしては金子だけでなく阿部大樹(25歳)も在籍するが、ウェベル監督はより戦力に厚みをもたらすために、国際経験もあって「まだここから伸びる」と期待を寄せる永露を獲得した。
実は、2人をつなぐ絶妙なアシストを担った選手がいる。昨季、永露と大阪Bで共にプレーしたアメリカ代表のトーマス・ジェスキーだ。ウェベル監督が明かす。


