甲子園の風BACK NUMBER
大阪桐蔭が2年ぶりの秋大阪大会制覇…“楽しむ→愉しむ”への変化の意味は?「しぶとい」常勝軍団は帰ってきたか「ここはひとつの通過点なので」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/10/15 11:02
秋季大阪大会を2年ぶりに制した大阪桐蔭ナイン。かつての「常勝軍団」は甲子園に戻ってこられるだろうか?
決勝戦がまさにそうだった。中盤以降は激しい点の取り合いとなり、一時は2点を追いかける展開となった。それでも勝ち越した7回、逆転した8回はいずれも先頭打者が出塁し、そこから全員で繋いだ。
甦る「かつての大阪桐蔭」像
大阪桐蔭はプロ注目の打者を中心に豪快に点を取るイメージが強いかもしれない。だが、かつてはそれ以上に相手に最後までしぶとく食らいつき、土壇場で逆転するような執念深い強さこそが真骨頂でもあった。
決勝戦の逆転劇は、そんなかつてのような執念が詰まった場面でもあった。
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「準決勝では(エースの)吉岡がピシャピシャに抑えてくれたんですけれど、逆に言ったら自分たちは何もできないまま終わった試合でした(11安打しながら2得点)。だから、次の試合は自分たちがやってやろうという思いが強かったです。
準決勝で点を取れなかった分、決勝では思いっきりやってやるぞ、と。準決勝の悔しさを敢えてプラスに捉えて、今日の試合はベンチからプラスになる声も出ていたので、最後まで気持ちで負けていなかったと思います」(黒川主将)
黒川自身も今夏の大阪大会決勝で「7番・二塁」でスタメンを経験しているが、野手は3番を打つ内海竣太以外、レギュラーはほぼ入れ替わった。

