欧州サッカーPRESSBACK NUMBER

「5試合結果が出ていなかったので…」三笘薫、積極プレー光るもブライトン“6試合未勝利”の壁【プレミアリーグ】

posted2024/12/30 06:00

 
「5試合結果が出ていなかったので…」三笘薫、積極プレー光るもブライトン“6試合未勝利”の壁【プレミアリーグ】<Number Web> photograph by Getty Images

text by

田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

PROFILE

photograph by

Getty Images

 三笘薫の所属するブライトンは12月27日、ホームでブレントフォードと対戦した。

 ブライトンは直近の5試合で3分2敗の未勝利。11月23日のボーンマス戦に勝利した後は順位を5位まで上げたが、ここから勝利に見放され、現在は10位までポジションを下げている。しかも今回は、12位のブレントフォードが相手。両者の勝ち点差は2ポイントしかなく、ブレントフォードに敗れた場合は順位でも逆転される状況にあった。

 ブライトンとしては必勝態勢で挑んだはずだが、試合は0−0のドローに終わった。シュート数は、ブライトンの24本に対し、ブレントフォードは8本。ブライトンが優勢だったが、またしても勝利できず、未勝利記録は6試合に伸びた。

ADVERTISEMENT

 今回の試合は、ブライトンにとって24年最後のホームゲームとなった。日本代表アタッカーは4−2−3−1の左MFとして先発。試合序盤から目立ったのは、三笘の積極果敢なプレーだった。

 ボールを持つと、まずは仕掛けの動きを見せる。今季ここまでの戦いでは不用意なボールロストを避けようと、中盤で横パスを出したり、ボールを一旦キープしてスローダウンする場面が少なくなかったが、今回の試合では仕掛けのアクションからプレーを始めた。

 もちろん突破が難しいと判断すれば、味方の足元にボールを預ける。無謀なプレーをしない考えは変わらなかったが、この日の三笘は、いつになくアグレッシブ、そして積極的にアクションを起こした。

 試合開始3分のファーストタッチから、これまでとの違いが感じられた。敵を背負いながらボールを受けると、キープしながら反転。素早い切り返しで前に出て、相手を抜き去った。

 この場面では2人目のマーカーにブロックされたが、似たような仕掛けはこの後も続いた。13分、20分、25分、27分と、中盤から推進力の高いドリブルで前へ、前へと突き進むシーンを重ねていったのだ。また前半43分には、CKのこぼれ球を左足のハーフボレーでシュート。わずかに枠を外れたが、ゴールやアシストの結果につながりそうな雰囲気は十分あった。

 試合後、こうした変化について、三笘本人に聞いてみた。「プレーがいつもと違うように見えました。ボール持ったら、パスではなく前に仕掛ける。ドリブルで仕掛ける意識が高かったように思います。意識していたのか」と。三笘はこう答える。

「そうですね。コンディションも悪くなかったですし、ボールを受けた時にショートカウンター気味に(前方に)スペースがあった。自分がそこに入ることで、相手もファールを怖がると思った。ああいうプレーを毎試合やらないといけない。 そこからシュートを打ち切るくらいのところまでやらないと」

 筆者は、もう少し深く聞いてみた。ブライトンは直近5試合で3分2敗と勝利がない。前々節のクリスタルパレス戦では相手のパワープレーに対処できず1−3で敗戦。前節ウェストハム戦ではチーム全体に力強さがなく、1−1で引き分けた。そこで筆者は「意識の変化は、過去5戦で勝利がない状況を踏まえてのものだったのか。それとも監督から指示があったのか」と尋ねた。三笘は胸の内を明かす。

「(監督からの指示として)そういったところは何もないです。5試合で結果が出なかったので、自分自身、色々と考えたり、見つめ直したりしました。 チームとしてやりたいことと、自分がやらないといけないことの区別が難しかったところはありましたけど。ただ良くも悪くも、結果が最終的な判断になると思う。結果が出ればOKだったと思います。それを次でやるしかない」

◆◆◆

 ブライトンの未勝利は6試合に伸びた。三笘個人にフォーカスしても、後半は危険なプレーが減った。その後半、中2日に行われる30日のアストンビラ戦を睨み、今季最短の後半22分で交代を命じられた。交代時の三笘は、首を左右に小さく振って納得がいかない様子であった。試合後「最後までプレーしたかったですね」と聞いてみると、三笘は「もちろんそうですが、後半のプレーなら妥当かなと思います」と短く応え、後半の内容から考えれば早い時間での交代も仕方ないと話した。

 ただ、前半に見せた積極的な仕掛けには、三笘の“らしさ”が凝縮されていたのは間違いない。今後の課題は、いかに自身のアタックを結果につなげていくかになる。

「次でやるしかない」と三笘は言う。ブライトンの次戦は、敵地で行われるアストンビラ戦。ここで、自身の活躍でブライトンを7戦ぶりの勝利に導くことができるか。

海外サッカーの前後の記事

ページトップ