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大の里の“先輩横綱”としてのプライド…豊昇龍が語る“一人横綱”の重圧「最初の場所は、固定観念に縛られて休場につながってしまった」 

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飯塚さき

飯塚さきSaki Iizuka

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photograph byKiichi Matsumoto / JMPA

posted2025/07/12 17:01

大の里の“先輩横綱”としてのプライド…豊昇龍が語る“一人横綱”の重圧「最初の場所は、固定観念に縛られて休場につながってしまった」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto / JMPA

一月場所で優勝を果たし、横綱に昇進した豊昇龍

 昇進後も安定した成績を残し、'24年十一月場所は相星決戦で琴櫻に惜しくも敗れたが、13勝2敗の好成績。続く今年の一月場所は、綱取りに挑んだ。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)は、場所の序盤でこのように語っていた。

「豊昇龍は、横綱になりに来たっていう、強い気持ちが出ていますよね。次(横綱)に向かっているということは、口に出すようにもなってきました」

 その結果、師匠からの厚い信頼と期待を、最高の恩で返した。王鵬、金峰山との優勝決定巴戦を制し、自身2度目の優勝。大関としては初めての優勝で、場所後の横綱昇進につなげたのだった。この快挙には、師匠も「目標を口にして、それをどんどん達成していくのが彼のすごさ。師匠として、弟子の活躍はうれしい限りです」と喜びをかみしめた。

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 新入幕の頃は「偉大な叔父さんの名前を下げたくない」と話していた豊昇龍。その名を下げるどころか、ついにあこがれの叔父と同じ地位に立ったのだ。

一人横綱のプレッシャー

 6月中旬。長崎県大村市で合宿中の立浪部屋の稽古にお邪魔した。合宿最終日とあって、地元のファンや子どもたちとにこやかに交流しながら汗を流した豊昇龍は、「雨が続いたけど、自然がいっぱいでよかった。リフレッシュになりました」と清々しい笑顔。取組のときに見せる険しい顔とは打って変わって、リラックスした無邪気な表情が印象的だった。

 普段は明るく、ニコニコ笑顔が可愛らしい26歳の青年。しかし、新横綱の場所となった三月場所は、黒星が重なり10日目から無念の途中休場。横綱・照ノ富士が一月場所の途中で引退し、ちょうど入れ替わるようにして豊昇龍が一人横綱となったため、見えないプレッシャーに押しつぶされそうだったのだという。立浪親方も「最初の場所は、横綱とはこうでなければならないという固定観念のようなものに縛られて、休場につながってしまった」と分析する。

 横綱になってからの心境の変化を、本人にも尋ねた。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の《告白》「大の里と二人になるのはうれしい」豊昇龍が語る横綱の“重圧”とモンゴル高地トレーニング「口の中で血の味がしたもん」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

 

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