鈴木淳之介「速い、高い、そして上手い。失敗を恐れぬ“最後尾の司令塔”」

　ブレイクの契機は未知のポジションへの“転向”だった。突如、表舞台に躍り出た湘南ベルマーレの昇竜、鈴木淳之介である。

　今季は開幕から全試合に先発出場。いまやJ1屈指のセンターバック（CB）として飛ぶ鳥を落とす勢いだ。4月にはスイスのサッカー専門調査機関として知られる『CIES　フットボール・オブザーバトリー』が発表したJ1のCBランキング（25歳以下）でトップに位置づけられたことが話題になった。もはや“隠れた逸材”などではない。

　プロ4年目の21歳。CBへの転向は、昨季途中のことだ。MFから3バックの一角にコンバートされる。中盤の担い手として行き詰まりを感じていた若者にとって、まさに渡りに船だった。