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元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第27回:栃東「詰将棋のような手順」
posted2025/03/01 09:00

text by

二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
Takayuki Ino(Illustariton)
2025年、大相撲は新横綱・豊昇龍関の誕生で一年の幕を開けました。私も弟子の育成に邁進し、大相撲を盛り上げていきたいと思っております。
さて、今回取り上げるのは元大関・栃東の玉ノ井親方です。まず、対戦成績を振り返ってみると……私の0勝5敗でした。
私は栃東関のような、頭を下げておっつけてくる力士を苦手としていました。そこで対策を練り、立ち合いでの仕切り位置を変えてみたり、工夫を凝らしたのですが、まったく通用しませんでした。
栃東関が引退されたあと、当時のことを話してみると「いろいろ作戦を変えてくる相手がいちばん分かりやすくて、自分としてはやりやすかったよ。むしろ、魁皇関のようにズバッと差してきて、正々堂々と向かってくる力士の方が苦手だった」と、私の取り口を読み切っていたことを教えてくれました。
