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「情けないな…自分自身が許せない」“女子プロレス大賞”Sareeeがまさかの3連敗…それでも「過去イチ燃えています」“猪木ベルト”IWGP女子を狙う理由 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/02/01 17:05

「情けないな…自分自身が許せない」“女子プロレス大賞”Sareeeがまさかの3連敗…それでも「過去イチ燃えています」“猪木ベルト”IWGP女子を狙う理由<Number Web> photograph by Essei Hara

岩谷麻優の持つ“猪木ベルト”IWGP女子王座に照準を合わせたSareee。「朱里を踏み台にする」と宣言した

「私は沈んだ太陽かもしれないけれど、太陽は沈んでも、絶対にまた昇ります」

「IWGP女子が欲しいのは、シンプルに猪木さんです」

 Sareeeは次の自主興行「Sareee-ISM Chapter VII」(3月10日、新宿FACE)でスターダムの「モノが違う女」朱里を指名した。その先に岩谷麻優の持つIWGP女子王座を見据えてのことだ。

 昨年4月27日の横浜BUNTAIでスターダムのリングに初めて上がったSareeeは岩谷のIWGP女子王座に挑んだが、ドラゴンスープレックスでフォールされている。朱里もまた、同年の1月4日に東京ドームシティホールで岩谷に挑み、リバースのフランケンシュタイナーで押さえ込まれている。

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 Sareeeは知らなかったが、この時、朱里はバックステージでアントニオ猪木の名前を口にしていた。朱里は2022年にプロレス大賞を受賞した時、「女猪木」を宣言していたが、IWGPを巻けなかった悔しさから、再び猪木の名前を口にし、「私は絶対にあきらめない。あのベルトを私の腰に巻いてみせる。絶対、叶えてみせる」と涙ぐんでいた。

「そうなんですか。私は朱里選手を踏み台にして、と言いましたが、IWGPにそんな強い思いがあるとは」(Sareee)

 朱里はこんなことも言っていた。涙にはその決意が表れていた。

「あのベルトを狙っているのはSareeeだけじゃない。今、思い出しても(岩谷に負けて)本当に胸が苦しくなるような思い。私は岩谷麻優からあのベルトを取りたいという気持ちがすごくあります。赤いベルトを1年間防衛して、女子プロレス大賞を取り、その後何を目指していいか、もうわからなくなってしまった自分もいたんですけれど、IWGP女子ができて、あのベルトだと思った。あのベルトを次の目標にすると決意した。負けたくない。ここのところ落ち着いてしまった。何も残っていないかもしれない。でも、それは過去のこと。だから私はあの絶対ベルトを巻いてみせる」

 SareeeはIWGPへの思いを語った。

「IWGP女子が欲しいのは、シンプルに猪木さんです。アメリカに行く前にお会いした時、こんなオーラのある人がいるんだ、と。猪木さんが近づいてきただけで、もうドキドキしてしまって何もしゃべれませんでした。父が大ファンだったので、小さい時からすごい人だって聞いていたし、映像も見せられていました。猪木さんを感じたくて調べたくなった。アメリカ時代はリスペクトを持って本を読んだり、その言葉を思い浮かべたりしていました。帰って来た時にIWGP女子が作られていて、『このベルトが欲しい! 絶対、取る!』って。私にとってはIWGPイコール猪木さん。私が一番似合っている。私が巻くのがぴったりだ。はまる。昨年の4月27日は初のスターダムのリング。岩谷選手との初のシングルマッチ。悔しかった。岩谷麻優からベルトを取りたい。いまだに岩谷麻優がベルトを持っている。これは私に取りに行けと言っているんだな。これは運命だな」

【次ページ】 「これでいきなり挑戦は納得がいかない」

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