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「挑発的な質問も…」上沢直之“TVに映らなかった”入団会見ウラ側…ソフトバンク番記者が初めて聞いた“異例の発言”「少なくとも3回言った」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKYODO
posted2024/12/27 06:05
12月26日に行われた、上沢直之のソフトバンク入団会見。そのウラ側を現地記者が綴る
「自分の中で(米球界に)適応しようとした中で、いろいろ試したり吸収しようとしているうちに、自分の強みが分からなくなってしまったんです。そういった状態でもう1回アメリカで挑戦しても自分のレベルアップに繋がるのかなって考えたときに、もう1回日本の球界に挑戦して、自分の再構築やレベルアップをするのが必要かなと思った。アメリカに挑戦する前はまさか1年で戻るなんて思ってなかったけど、こういう決断になりました」
この答えのほかに、あと少なくとも2度、上沢は「日本球界に挑戦する」と言ったのだ。
これまでも米球界から日本へ復帰した選手を数々取材してきた。今のソフトバンクであれば有原航平がそうだし、かつては松坂大輔や五十嵐亮太、岡島秀樹らの入団会見にも出席したことがある。
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日本球界に挑戦という言い方をしたのは、上沢が初めてだった。
「戻ってきて、それで簡単に成績を残せるような世界じゃないと僕は思ってるので。なので僕にとっては挑戦というか、もう1回しっかり自分の投げるポジションとかを掴み取らないといけない。だからそういうイメージですね、僕の中では」
開幕2カード目は北海道…どうなる?
今季、アメリカでは滑るボールや不慣れな中継ぎ調整に苦労して、最後は右ひじを疲労骨折してしまった。ただ、現在はすでに強めに投げたり遠めの距離のキャッチボールも行っており、1月にはブルペン入りしてキャンプインに備えたいとしている。
「日本に挑戦する以上、もう1回アメリカに、などという気持ちでやっても絶対にうまくいかないと思う。まずはホークスのために頑張ることが大切。1年で帰ってきて、僕のアメリカでの挑戦を応援していただいた方には本当に申し訳なく思いますけど、この経験が必ず無駄ではなかったとなるように過ごしていきたいと思います」
当然、目指すのは先発ローテ入り。ソフトバンクは開幕2カード目の4月1日と2日、いきなりエスコンフィールド北海道に乗り込んで日本ハムと激突する。「どこで投げようとやることは変わらない」。上沢は記者の挑発に乗らないように努めて冷静な口調でそう答えた。ただ、もし新天地デビューがそこで実現すれば、大注目の激熱な一戦になることは間違いない。