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[スペシャルインタビュー]大谷翔平「まだ伸びしろは残っているなと」【前編】
posted2024/12/26 09:02
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Nanae Suzuki
新たな伝説となるシーズンを終え、世界一の野球選手は落ち着いた柔らかな表情で、われわれの前に腰を下ろした。WS制覇の味、「50-50」達成、二刀流への意欲、家族のこと。30歳の成熟した言葉で、野球と、人生について、真摯に語った。
――ワールドシリーズ制覇、3度目の満票MVP、“50-50”達成など、いくつもおめでとうございます。
「ありがとうございます」
――世界一の余韻にはいつ頃まで浸っていられたんですか。
「それはもう、あっという間でした。ワールドシリーズのあとのパレードが終わって、僕はすぐに左肩の手術を受けなければならなかったので、その時点でリハビリのほうに気持ちを切り替えました」
――そんなに早く?
「すごく痛かったんで、そうせざるを得なかったんです」
――ワールドシリーズの最中には「試合の中で痛い、痛くないは考えない」と仰っていましたが、やっぱり痛みは強かったんでしょうか。
「はい、痛かったです。痛み止めの注射を打って、薬も飲みましたが、それでも痛みは消えませんでした」
――そんな中、どうやって痛みを考えないように意識できたんですか。
「考えようにも、まずそんな時間がなかったんです。左肩が冷えてしまうと痛みが酷くなってくるので、打ち終わったらすぐに温めなきゃならない。そのためにベンチ裏へ下がって、マッサージでほぐしてもらいながら次の打席に備えていました。だからあんまりベンチにいられなくて……せっかくのワールドシリーズだったのに試合の流れをほとんど覚えていないんです。ゲーム展開を味わえなかったのは心残りでしたね」