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「鉄道テロで飛行機が10万円超」「プレスセンター、しょぼい」取材記者が明かす“トラブル続出”パリ五輪取材ウラ話「でも治安は意外と…」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byNaoya Sanuki/JMPA
posted2024/12/23 11:05
フランス各地を回ったサッカー取材記者が見たパリ五輪は、華やかさと少々違う印象だったようで……。
警備員や警官が多数街に出ており物々しい雰囲気こそあったものの、意外にも人が少なく地下鉄やトラムなども快適で、治安の悪さも感じなかった。2016年の欧州選手権でも1カ月滞在したが、その時ほどは街が盛り上がっている感覚もなかった。
パリ市民は五輪の混雑を避けるためにパリを脱出していると聞いていたが、観光客もパリを避けたのかもしれない。パリのいわゆる名所はだいたい試合会場になっており、普通に観光したい人にとっては行動が制限されたことも理由なのかもしれない。だが逆に試合中継はどれも映えており、映像映えを強く意識した会場作りが窺えた。かといってその付近が身動きひとつできないほどの混雑というわけでもなく、拍子抜けした。
五輪閉幕後、スリの多いパリに戻っていた
オリンピック閉幕から1週間後、伊東純也と中村敬斗が所属するランスを訪れた。オリンピックとパラリンピックのはざまの時期だったためか警官たちは減り、どうやらふだんの人もスリも多いパリに戻っているように感じた。あっという間に日常を取り戻していたようだった。
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あらためてこうして書き出してみると、パリ五輪のサッカー取材は結構大変だったような気もするが、なにかもう過去の良い思い出になってしまっている。旅としては楽しかったが、日本にとってはあまりサッカーが主役になれなかった大会で、サッカー取材者としては悔しくもある。
もしも次回、大岩剛監督が再任したLA世代の五輪本大会で取材チャンスに恵まれたなら……会場がアメリカ全土となればどんな旅になるだろうか、などと思いを馳せつつ、今後も取材をしていかねばとも思っている。