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「日本人で1億円超は2.5%。安定的なGK」Jリーガー年収ウラ事情…じつは“オランダと同格”「世界標準だと、かなりまとも」識者が調査
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阿部博一/小野ヒデコHirokazu Abe/Hideko Ono
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/12/13 11:03
Jリーグで“1億円プレーヤー”の1人とされる川崎の家長昭博。欧州メガクラブとの財務格差は大きいが、日本の雇用状況は世界標準だと悪くない部類のようだ
J1日本人選手の年齢別の年俸をざっくり分類するならば、新人は470万円程度、レギュラークラスは1500万円から3000万円、チームの顔となる主力やベテランクラスは5000万円程度となっています。
また、日本人選手で1億円超えプレーヤーは12名で、全員が現日本代表、または過去に日本代表の経験があります。ちなみに12名というのは日本人選手全体の約2.5%です。トップオブトップの選手しか「億プレーヤー」になれないのがよくわかります。
世界におけるJリーグのプレー環境
ここまで、J1リーグの選手の年俸を分析してきました。平均年俸3755万円が自動的に稼げる金額ではないことは理解できたと思います。さらに、0円でのプロC契約や、J1日本人選手の年俸の最頻値が460万円であること、J2/J3選手の年俸などを考えると、「日本のプロサッカー選手の環境はひどい」と結論づけたくなるかもしれませんが、実は世界標準で考えると、Jリーグの年俸水準や財務状況はかなりまともです。
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少し前の数値になりますが、2018年度のGLOBAL SPORTS SALARIES SURVEYのデータでは、Jリーグ選手(外国人選手も含む)の平均年俸は約3400万円で世界19位で、スイスやオランダなどと遜色ないレベルです。日本のFIFAランキングは211か国中16位(※2024年9月19日発表時点。エリトリアはFIFA加盟国だが、ランキング対象外のため、実質210か国中16位)なので、サッカーレベルと照らし合わせても納得のいく水準だと言えます。
また、世界66か国の選手会を束ねる国際プロサッカー選手会(以下、FIFPRO)では、マーケットの大きさ、人気、財務状況、ガバナンスなどをもとに、各国リーグが選手にとってどの程度魅力的かレポートを出しています。
2021年のレポートでは、日本は上から2番目のカテゴリーBに分類されています。アジアからこのカテゴリーに分類されているのは日本とオーストラリアだけです。ちなみにカテゴリーAに分類されるのは、欧州5大フットボールリーグの国(イングランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)のみです。

