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夫の鈴木誠也から「頑張り過ぎないで。笑っていてほしいんだ」と…元新体操日本代表・畠山愛理(29歳)が結婚で気づいた“理想の妻”幻想《結婚BEST》
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph by(L)JMPA、(R)JIJI PRESS
posted2024/11/24 11:00
有力選手が多い1994年生まれ「黄金世代」同士のビッグカップルでもある畠山愛理さんと鈴木誠也選手。現在のアメリカでの生活模様はどんなものなのか
――日本では「奥様会」 と呼ばれていますが、 選手のパートナー同士の交流も多いようですね。
畠山 球団によって違うのかもしれませんが、私はいわゆる「奥様会」みたいなものは経験したことがないんです。球団のチャリティーパーティーに出席したり、遠征で選手と同じ飛行機に乗るときに他のご家族と話したりすることはあります。お子さんがいる方に「今度お家に遊びに来て!」と気軽に声をかけていただいて、選手の子供同士で遊んだり。「こういうイベントがあるから来ない?」とメッセージを頂くこともありますね。
――日本とアメリカでは「アスリート妻」 を取り巻く空気感の違いを感じることもありますか?
畠山 それはすごく感じています。私が衝撃を受けたのは、球場で応援している奥さんたちがとにかく楽しそうなんですよね。私は日本で観戦している時、帽子を深くかぶって、夫がホームランを打った時も「ヤッター!!!」と手放しで大喜びすることは気が引けていました。
でも、メジャーの奥さんたちは野球観戦自体をすごく楽しんでいるし、周りの目を気にしている感じもあまりしません。素直に喜んだり、飲み物片手に球場の雰囲気も一緒に楽しまれていて。今は私も知らない方ともハイタッチしたり、立ち上がったりするくらい素直に喜んでます。球場でも素直に夫のことを応援できているなと思います。
「選手の妻はこうじゃなきゃいけない」と…
――確かに、日本だとアスリートの妻に対して目立たずに夫を支える「内助の功」を求める風潮はまだ残っていますよね。
畠山 私自身、球場での振る舞い方も含めて、「表に出ない、夫を後ろで支える妻が素晴らしい」という価値観に縛られていた時期がありました。結婚当初はまだ仕事もしていたので、実際SNSを通して「仕事をしないで誠也を支えてくれ!」とコメントを頂くことも珍しくありませんでした。
だからこそ余計に自分の中で、仕事を理由に家のことを疎かにしたくないし、変に「選手の妻はこうじゃなきゃいけない」と思ってしまっていたんですよね。今思うと「なんであんな頑張っちゃっていたかなぁ」と思うんですけど。栄養を意識した料理を何品も作って、仕事で疲れが出ていても夫が帰ってくる前に部屋は絶対綺麗に掃除してないと気が済まなかった。
選手の頃の栄養知識で十分だったなと今は思いますが、アスリートフードマイスターの資格をとったり。選手時代はずっと合宿生活だったので、自炊をしたこともなければ、母に料理を教わる機会もあまりなかったので、とにかく最初の頃は必死に頑張っちゃっていましたね。でもある日、夫から「頑張り過ぎないでほしい」って言われたんです。