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[プロデューサーは見た]話題のドラマが生まれるまでの舞台裏
posted2024/11/22 09:00
text by
林亮佑(Number編集部)Ryosuke Hayashi
photograph by
Netflix
Netflixで独占配信され、注目を集めている『極悪女王』。その発端は、鈴木おさむが持ち込んだ企画書だった。制作に携わった2人のプロデューサーの語りによって、万全すぎる体制、そして俳優たちの情熱が浮かび上がる。
突如、生放送中のスタジオに乱入する極悪同盟の面々。その中心に立つダンプ松本が竹刀を振るうと、攻撃を受けた芸人たちは苦悶の表情を浮かべる。
プロデューサーの高橋信一は、10歳にも満たなかった当時の記憶を鮮明に思い出せるという。
「兄姉が見ている中で一緒に見ていたと思うんですけど、芸人さんたちを本気で殴っているように感じていました。怖かったですよね、シンプルに」
Netflixで働き始めた2020年、高橋の目に留まったのは、あのダンプ松本を題材とした企画書だった。鈴木おさむが持ち込んだ『極悪女王』の原案だ。
「当時、上司がおさむさんからプレゼンをしていただいて。持ち込まれた企画書を僕も目にして、やりたいと手を挙げさせてもらいました。企画の骨子は、おさむさんが最初に書かれたものからそこまで変わっていないです」
高橋が本作において果たした大きな役割は、白石和彌を監督に迎えたことだろう。『凶悪』や『孤狼の血』シリーズで知られる白石監督は、プライベートで会場に足を運んでいたほどのプロレス好き。また、人間の心に潜むドロドロとした感情を描き出す作家性こそ、リングに立つ少女たちの複雑な思いが混ざり合った胸の内を伝えるためには必要不可欠だった。