松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「僕の野球人生とは」(連載最終回)
posted2024/10/23 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
22年にわたるプロ生活最後の登板の日がやって来る。最後の勝負はわずか5球、最速は118kmだった。令和3年、平成の怪物は静かにユニフォームを脱いだ。
プロ野球選手としての最後の日がやって来た。2021年10月19日、松坂大輔が336度目となる先発のマウンドへ上がる。長年、慣れ親しんだ所沢のマウンドで、背番号18をつけたライオンズのユニフォームを着て、横浜高校の後輩でもあるファイターズの1番バッター、近藤健介を相手に――松坂は振りかぶった。
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前の年、首の手術を受けてからは左肩にも力が入らなくなって、振りかぶるのもしんどかったんです。でも、それだけは最後までこだわりたかったので頑張って振りかぶりました。振りかぶるのって、カッコいいじゃないですか。それは桑田(真澄)さんの影響です。僕は子どもの頃から桑田さんの投げ方が好きで、あの振りかぶり方が好きだったので、真似していました。