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「下着をハサミで切って、真っ裸にさせられ…」女子レスラー初の“オールヌード写真集”も、井上貴子のプロ意識「私にとっては“作品”です」《全女BEST》

posted2024/09/23 11:01

 
「下着をハサミで切って、真っ裸にさせられ…」女子レスラー初の“オールヌード写真集”も、井上貴子のプロ意識「私にとっては“作品”です」《全女BEST》<Number Web> photograph by L)AFLO、R)Takuya Sugiyama

今年デビュー35周年を迎える女子プロレスラーの井上貴子

text by

伊藤雅奈子

伊藤雅奈子Kanako Ito

PROFILE

photograph by

L)AFLO、R)Takuya Sugiyama

かつて栄華を極めた全日本女子プロレス。Netflix『極悪女王』が配信を迎え、再び大きな話題を呼んでいる。1988年に全女でデビューし、計10冊もの写真集を出版するなど独自の存在感を放った井上貴子さんのインタビューを、特別に再公開します。《初出:2023年9月2日/肩書などはすべて当時》
井上貴子(LLPW-X)の名前を世に知らしめたのは、写真集だった。90年代初頭に訪れた空前の写真集ブーム、ヘアヌード解禁という時流に乗って、デビュー2年後の20歳で初トライ。45歳までで、通算10冊も出版した(デジタル写真集も含む)。

四半世紀もの長きにわたって、“売れるオンナ”であり続けた貴子が明かす、オールヌード写真集の撮影秘話、そして“プロ意識”の話。《NumberWebインタビュー第2回/#3に続く》

 出過ぎた杭は打たれないことを知った。まだ20歳。現役女子プロレスラー初のオールヌードに挑戦したのは、23歳。その後は高水準を保つために模索、発案、挑戦、探求を重ねた。アイドルレスラーから写真集クイーンの座に就くまでに、時間はかからなかった。やがて、被写体でありながらセルフプロデューサーとしての才覚も見せはじめ、道なきところに道を創っていった。

◆◆◆

23歳で「オールヌード」に挑戦した理由

貴子 3冊目(94年10月刊行の「Vertige」)でオールヌードになって、4冊目(95年12月刊行の「Body Oil」)でヘアヌードになったんだよね。当時は写真集ブームで、きわどいところまで見えてるか・見えてないかくらいのものは、すでにみんながやっていたから、そこで勝負しても埋もれてしまう。ほぼマネージャーのかほちゃんの意見で(笑)、「一流のスタッフを用意するから、ヘアヌードをやったらどう?」ということになって、出版業界ではすでにヘアが解禁されていたので、やったんですよね。

――ためらいませんでしたか。

貴子 3冊目で「オールヌードは女子プロレスラー初ですよ」ってうたっておきながら、撮影現場では(アンダーヘアを)出してるわけだから、気持ちとしてはあまり変わらないというか。現場では真っ裸で撮ってたんで、あまり変わらないよね……みたいな感じではありました。

――批判の声を耳にしましたか。

貴子 直接はないです。陰では言われていたのかもしれないけど。ただ、このときって、全女のなかで獄門党(ブル中野を総帥としたヒールユニット)とジャングル・ジャック(アジャコング&バイソン木村らによるヒール)が全面戦争をやってたのね。その抗争に入る気はさらさらないし、そういう闘いをやりたくて全女に入ってきたわけでもないから、私は私のやり方で進んでいますという気持ちではあったけど、全女の人たちは、「全面戦争をやってるのに、あなたは何やってんの?」と思ってたでしょうね。口をきいてくれない選手はいましたし、まだ。

――全女内に敵はいても、写真集チームは味方だった。

貴子 うん。話してくださらなくて結構です、私にかかわらないでくださいというオーラも出してたしね、全女では。だから、「生意気」って言われてた。

【次ページ】 打ち合わせにも参加…写真集で見せた“プロ意識”

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