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2度の流産、死産…“最後のアイドルレスラー”納見佳容(46歳)が初めて語る“壮絶な引退後の日々”「罪悪感に苦しみ、何度もスーパーで座りこんだ」《全女BEST》
posted2024/09/22 19:00
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
Yuki Suenaga
2004年4月18日、超満員札止めの後楽園ホールで引退。女優に転向後の07年、ダンスユニット・PaniCrewのメンバー・堀内和整さんと、およそ5年にわたる交際を経て結婚した。10年、第一子となる長男を出産。しかしその後、不妊治療、流産、死産という苦難に襲われた。
「明るい話じゃないんで、ほんとに近しい人にしか言ってなかったんですけど」。納見が、重い口を開いた――。
◆◆◆
2度の流産…「私がダメなんだ」って責めた
納見 結婚したのは、もうすぐで31歳になるとき。2年たっても子どもができなかったので、32歳のときに不妊治療で有名な病院に行ったら、通いだして半年もしないうちに妊娠しました。出産は34歳でした。
――元アスリートの妊娠・出産について、考えることはありましたか。
納見 体の強い・弱いが妊娠に関係するかはわからないけど、私の場合は幼いころから喘息があったんで、現役のときはステロイド注射を継続的に打っていて。それだけが理由ではないと思いますけど、生理は1年に2、3回でしたね。でも、そういう(生理が不安定な)選手は周りにかなりいたんで、まったく気にしてなかったし、生理なんてなくていいと思ってたぐらい。
――大事な試合日に重ならないよう、薬や注射で遅らせる女性アスリートは多いし。
納見 ですね。それとの関係性はわからないけど、上を産んだあとに二人目不妊になってしまって、不妊治療をしながら流産を2回したんです。1回目は、36歳のとき。検診で胎嚢(たいのう)が確認できたのに、次に病院に行ったときには、「見えなくなっています。残念ですが……」と。2回目は、お腹のなかで赤ちゃんの心拍が止まってしまって、出してあげる手術をしました。どっちも私の体で起きたこと。「私がダメなんだ」って、すごく自分を責めましたね。自分を責めるしか、気持ちの持っていき場がないというか。こんなに願っても手に入らないものがあるんだって、とにかくつらくて……。