藤井聡太22歳と“プロ初対決”「貴重な機会を…」夢の女性棋士まで2勝・西山朋佳29歳を元A級棋士が絶賛「私が最も強かったときと同じくらい」

　西山朋佳女流三冠（29＝白玲・女王・女流王将）はプロ公式戦にも出場して所定の好成績を7月に収めて「棋士編入試験」の受験資格を得た。9月から始まった五番勝負に勝ち越して合格すれば、初の「女性棋士」が誕生する。その第1局は9月10日に行われ、西山女流三冠は高橋佑二郎四段（25）との激闘を制して好発進した。西山が終局後に「最後までよくわからなかった……」と語った難解な将棋の模様、9月15日に放送された藤井聡太竜王・名人（22）とのNHK杯戦の対局などについて、田丸昇九段が解説する。

佐々木大地、木村一基らに勝利した実力の持ち主

　西山女流三冠は以前に奨励会（棋士養成機関）に在籍し、2016年度前期から三段リーグに参加した。8期目の2019年度後期には、通常は四段に昇段できる14勝4敗の好成績を挙げたが、同成績・順位上位が2人いて惜しくも次点となった。

　西山は後に奨励会を退会し、21年から女流棋士として活躍。白玲、女王、女流王座、女流名人、女流王将のタイトルを数多く獲得した。特別参加したプロ公式戦でも活躍し、今年7月4日の対局に勝って直近の成績が13勝7敗となり《10勝以上・6割5分以上の勝率》という棋士編入試験の受験資格を得た。

棋士編入試験第1局の西山　©JIJI PRESS

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　西山は記者会見で「受験させていただきます。とてもうれしいです。自分の持ち味を生かせるように頑張ります」と語り、7月25日に将棋連盟に正式に申し込んだ。

　西山が23年6月から24年7月までプロ公式戦で13勝した対戦相手は、梶浦宏孝七段、渡辺和史七段、佐々木大地七段、木村一基九段、高橋道雄九段などで、タイトル経験者や若手精鋭に勝ってきた。試験抜きで四段に推薦してもいいぐらいの実績だ。

編入試験の“対局相手”になる棋士のホンネ

　西山女流三冠は棋士編入試験で、新四段の順に高橋四段、山川泰熙四段（26）、上野裕寿四段（21）、宮嶋健太四段（25）、柵木幹太四段（26）と対戦する。第1局の高橋戦から月に1局のペース、持ち時間は各3時間で行われる。

　西山と対戦する棋士たちにとって、棋士編入試験はプロ公式戦に当たらない。しかし、盤に向かえば全力を尽くすのが棋士の本分だ。ただ初の女性棋士の誕生が期待されている状況なので、敵役になりかねない複雑な立場といえる。

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