「みなさんも資料を見ておわかりのように、新たに長谷部誠コーチに参加してもらえることになりました。今回からですが、フランクフルトの仕事もありますのでIW（※インターナショナルウィンドウ／Aマッチウィーク）の期間を彼にお願いします。詳細に関しては、今回のキャンプ中に様々なディスカッションをしていければなと思っています」

　長谷部の役割を現時点で明確に設定しているわけではない。今回の活動を通して詳細を詰める部分もあれば、役割を変化させていく余地も残しているという。

　なお、宮本恒靖会長がラジオ「JK RADIO TOKYO UNITED」で明かしたところによると、発表会見のあった日の深夜3時頃に長谷部から「日本時間の深夜に（送ってしまって）すみません」というメッセージとともに、代表入りのお礼を伝える連絡がLINEであったという。長谷部の律義さはこれまでと変わらない。

記者陣の質問も“長谷部について”が最も多かった

　“長谷部入閣”についての関心の高さは、記者から寄せられた質問の数からもうかがえた。今回は森保監督と山本TDに計15問の質問が飛んだが、質問テーマ数のランキングは以下の通りだ。

　1位：長谷部について 4問
　2位：伊東の復帰について 3問
　3位タイ：最終予選全般、パリ五輪に参加した選手について、各2問
　5位タイ：中国代表、初招集の2選手（高井と望月ヘンリー海輝）、三笘、鎌田大地について、各1問。

会見で笑顔の森保監督　©JIJI PRESS

　長谷部の代表入りは森保監督が望んだことで実現した。

　監督は自らの想いを直接、長谷部に伝えていたし、その後も電話を通して話もしていたという。森保監督が6～7月にかけてEUROを視察した際にはフランクフルトで2人は会っている。

森保監督が望んだ“2つのポイント”とは

　森保監督が望んだのは大きく分けて2つのポイントがあるという。

　（1）世界の最先端に身を置く立場で得た知見を日本代表に還元してもらう

　（2）引退して間もないからこそだからビビッドにわかる、選手たちが代表監督やチームに求めるものについて教えてもらう

　以下、森保監督のコメントを紹介しよう。

「世界の情報や価値観、そして日本の価値観をミックスして、日本らしく、日本代表として最大限の力を発揮できるようにアウトプットしていこうということでやっておりますが、長谷部コーチのこれまでの経験が、そこに大きく貢献してくれると思います。コーチ・指導者として、色々なことを学ぶ前に（監督などから受ける指導や提案に）選手はどう感じるか、選手にどう働きかけるべきかかという点を、選手（に近い）目線でいろいろと伝えられる、大きな武器を持っています」

　もちろん、長谷部に期待されるのはそれだけではないだろう。彼と選手との直接のやりとりもまた、選手たちに刺激を与えるはずだ。

2年前のドイツ遠征と、興味深い田中碧への評価

　記憶にあるのは、2022年の9月のドイツ遠征だ。

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