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「今のキッド、やっぱりかわいいな」安納サオリも魅了…スターライト・キッドは“激動のスターダム”でどう変わった?「プロレスが楽しくてしょうがない」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/08/22 17:00
試合前のコーナーで笑みを浮かべるスターライト・キッド。新ユニットを結成、マスクも黒から青にチェンジし、悲願の『5★STAR GP』優勝を狙う
安納サオリも魅了「今のキッド、やっぱりかわいいな」
8月15日に後楽園ホールで行われた安納戦は時間切れの引き分けだった。
「私が心も体も、足も首も折ってやるって言ったのに、逆にちょっと足をやられちゃった。ジャーマン(スープレックス)の使い手はいっぱいいるけれど、私はサオリのが一番だと思っている。引き込む力が強いから」
キッドが粘っても安納は強引に引き抜いて投げた。
「キッドと戦うと刺激いっぱいやわ。どれだけときめいたか。決着つかなかったから、まだ、続きあるよな。今のキッド、やっぱりかわいいな」
今、安納の腰に白いベルトはないが、キッドにそうラブコールを送った。キッドも安納についてこう語っている。
「私にとって特別な相手。2点かけて戦って、白いベルトをかけて戦って。今度は何をかければいいの。この引き分けの1点が響かないことを祈るだけ。今年こそは強さを結果につなげたい」
キッドの環境は大きく変わった。ただ変わっただけでなく、変化を前向きにとらえている。
「去年とは違う。同世代(キッドは推定23歳になったばかり)に囲まれて、プロレスが充実している。自分自身がプロレスを楽しんでいるから、その楽しさが試合に出ている」
自分に言い含めるように、キッドはそう繰り返した。
「欲深い黒虎は青い虎になったかもしれないけれど、黒虎という部分は変わっていない。強い黒虎に進化している。私はこの5★STARでもっと強い黒虎に進化する」
もちろん、盟友との約束は忘れていない。
「AZM、今年こそ、決勝で会いましょう」