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「カブレラって、西武のカブレラ?」甲子園ベスト4にいる“筋肉隆々スラッガー”…関東一の高橋徹平とは何者か「暇さえあればウエイト」
posted2024/08/20 11:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Hideki Sugiyama
顔の幅とほぼ同じくらいに見える首。そして、太ももは競輪選手のように太い。
関東一高の右のスラッガー、高橋徹平は「暇さえあればウエイトをしている」というほどの筋トレ好きだ。
「デッドリフトはMAX230キロで、スクワットは180キロを6回で組んでます」
デッドリフトとは床に置いたバーベルをかがんだ状態から腰の位置まで引き上げる運動で、230キロは大谷翔平レベルの重量である。
新基準の影響「逆方向のホームランが…」
7回表、先頭打者の高橋が打席に立つと、応援席からトランペットのソロによる『必殺仕事人』のテーマソングが高らかに鳴る。応援団がここで1本欲しいというとき期待を込めて奏でる曲だ。
関東一打線はそこまで東海大相模の198センチ左腕、藤田琉生にシングルヒットわずか3安打に抑え込まれていた。高橋の耳にも高揚感をあおるような独特の音色は届いていた。東東京大会の5回戦でも『必殺仕事人』の曲のあと、一発が出た。
「流れてるな、なんかあるかな、と思いましたね」
高橋のここまでの通算本塁打はちょうど60本。そのうち低反発の新基準バットになって打ったのは「20本ぐらい」だという。
「新基準になって逆方向のホームランが出なくなった印象。これまでフェンスを越えていた打球がフェン直(撃)だったり、フライになってしまった」
バットが変わったことで損をしたホームランの数を問うと「盛って20本ぐらいですかね」と丈夫そうな白い歯を見せる。
ホームラン大好き…通算61号目
新基準バットとなり、なるべく長打はねらわないようにしているが、高橋は監督の米沢貴光が「(ホームランが)大好きなんで」というほどの打ちたがり。高橋はこう反省を口にする。
「体が勝手に大きいのをねらっているというか、気持ちで制御しきれていない部分があるので、そこは自分の課題です」
この日も1、2打席目は欲が出て、前の肩が上がってしまい、いずれもサードゴロ。この打席はバットを少し短く持ち、左肩が上がらないよう意識した。
初球、真ん中低めのチェンジアップに体が自然に反応した。