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甲子園の風BACK NUMBER
高校野球は“甲子園だけ”がすべてか? 強豪校の真逆「勝てない弱小校」追う…「勝ったらすき焼き!」神奈川大会“まさかの初勝利”監督が言ったこと
posted2026/07/18 11:00
夏の大会に参加して11度目…初めての夏勝利を挙げた中大横浜の選手たち
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樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph by
Yuki Kashimoto
高校野球の地方大会が全国各地で繰り広げられている。甲子園常連の超強豪校が注目されるなかで、筆者は「まだ勝っていないチーム」の取材を続けている。初勝利の瞬間、涙をこらえる生徒の姿、落涙する親の姿。ノンフィクションライター、樫本ゆき氏がレポートする。【全2回の1回目】
◆◆◆
仙台へ向かう新幹線に乗る前、私は自分自身にこう言い聞かせていた。
「今年も、負けを見に行くんだ」と。
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10年前から追いかけている宮城県加美農業高校の取材。正直に言えば、今日、彼らは「負ける」と思っている。佐伯友也が監督に就任して9年。廃部寸前の部員2人時代から24人にまで増えた「元連合チーム」。それでも夏の大会はすべて初戦敗退している。自腹で交通費をかけて仙台まで行き、負けて帰ってくる。そんなことをもう何年も繰り返してきた。それでも私には、彼らが“負けるところ”を見に行かずにはいられない理由がある。
人は負けた瞬間にこそ、その人の「本性」が出るからだ。勝利という栄光に包まれている時は、誰もが立派な鎧を身につけていられるけれど、負けた時、その鎧はハラハラと落ち、情けなさが露わになる。その剥き出しの瞬間に、監督が何を言い、子供たちが何を話すのか。
そうした「真実の言葉」を聞くために、加美農のほかにも、まだ勝っていないチームを私は取材している。
地元テレビ生中継に歓喜する姿
神奈川大会。中大横浜を取材した。会場はメインのサーティーフォー保土ケ谷球場だった。目立ちたがり屋の選手たちは「テレビ神奈川の中継がある!」と大喜びだ。しかし待て。君らの学校はまだ夏勝ったことがないぞ? 大丈夫か?
創部12年。夏の大会に参加して11度目。夏は全て初戦敗退。5年前は5-0からサヨナラ負け、昨夏も見に行ったが8回に4点差の逆転負けだった。

