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「指導の基準がわからない」橋本壮市はなぜ反則負け? 永山竜樹は誤審? パリ五輪柔道「モヤモヤ判定」本当の論点
posted2024/07/31 11:02
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
7月27日に始まった柔道において、連日、判定を巡り議論が沸き起こっているという。
「待て」がかかったあとも絞め続けられ、結果、負けを宣告された60kg級の永山竜樹の件が最たるものだが、それ以外でも、観ている人に疑問を感じさせる、違和感を抱く判定が相次いでいることからだ。
7月29日もそうだ。男子73kg級の準々決勝で、橋本壮市はジョアン=ベンジャミン・ギャバ(フランス)と対戦。橋本は指導3で反則負けを喫した。
橋本の「指導」は正当だったのか
拮抗した試合はゴールデンスコアにもつれた。橋本が先に指導2つを与えられ、ギャバにも1つ与えられる。
それから十数秒ほどで審判が「待て」で中断。橋本に3つ目の指導が与えられ、反則負けを喫した。
審判が止める直前、橋本は右手、ギャバは左手で互いの袖をつかんでいた。そのとき、橋本が左手を使って(使ったように見える動作で)組み手を切った。そのとき、両者の距離は離れていた。その行為は定められたルール上、指導の対象となっている。だから勝負を決することになった3つ目の指導自体は、永山のときのような問題のある判定とただちに言うわけにはいかない。
ただ、その決着についても、批判やさまざまな声が起きているのだという。おそらくそこには、今大会を通じての柔道の判定を巡る議論と共通するものがあるように思える。それが何かと言えば、橋本の3つ目は別として、どうしても指導の基準に、ぶれを感じさせることから来ているのではないか。