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東京2020直前に階級変更→オール一本勝ちで世界選手権3連覇、31歳でオリンピック初出場の角田夏実が“異色の柔道家”と呼ばれる理由
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byWataru Sato
posted2024/07/17 10:00
パリ2024柔道女子48kg級日本代表・角田夏実
2019年11月、48kg級に階級を下げる決断
その大学時代をこう振り返る。
「一人一人、それぞれの強みとかあると思うのですが、それをしっかり見てくれる大学でしたし、和気あいあいとした部活だったので、それも頑張ることができたきっかけだったと思います。自分で研究したり、自分からこういう練習を取り入れたいと考えて取り組んでいました」
地力を蓄えるとともに大会で好成績を残せるようになり、卒業後も柔道を続けることを決意。社会人になってからも実績を重ね、52kg級で世界選手権に出場し表彰台に上がるなどこの階級を代表する一人と目されるまでになった。
ただ、同じ階級には世界で結果を残す強豪選手たちがいた。その一人、阿部詩には直接の対戦成績ではリードし続けたものの(通算成績は角田の3勝1敗)、国際大会での実績から阿部が代表を確実視された。
そこで角田は決断する。2019年11月、48kg級に階級を下げたのだ。東京2020の代表が発表されたのはその3カ月後だったため東京2020には間に合わなかったが、その後48kg級で躍進を続け、ついに大舞台にたどり着くに至った。
他の追随を許さない角田の武器「巴投げ」
その経歴をたどるときに気づくのは、ときに思い悩みながらも柔道をあきらめなかったことが花開いた根本の理由であることだ。
「悩んだとき、私はほかに何ができるんだろう、あまりないのかなと思いました。柔道から自分は離れられないな、自分の人生でこれからもずっと一緒に歩んでいくものだと思います」
出会いや環境もあっただろう。それをいかせたのも、柔道に懸けてきたからこそにほかならない。だから時間をかけて道を築くことができた。
関節技や寝技とともに、角田には他の追随を許さない武器がある。「巴投げ」だ。相手を前に崩し、自分自身は真後ろに身を倒しつつ足裏を相手の腹部や腿の付け根に当てて、押し上げるように投げる。昔から柔道漫画などで鮮やかに相手を投げる場面が描かれ、試合の中でもしばしばみられるが、力の拮抗した者同士なら簡単に決まらない技でもある。それを「分かっていても防ぎきれない」と言われるレベルに高めてきた。
大舞台でも大切な武器になるだろう巴投げは必見だ。そして相手を崩してから寝技や関節技を決めていく流れの中にある動作の繊細さは、むしろ映像越しを通してそのディティールが明確に理解できるかもしれない。
なによりも、初めての大舞台で、初めての栄冠をつかむ姿を、記憶に、記録にとどめたい。
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