セリエAで9シーズン目、ミラノでも4シーズン目となるが、石川はマンネリという言葉とは無縁だ。年々自身に高いハードルを課しているから。加えて、チームが変わらなくとも、意識して“新しいこと”を取り入れているからだ。

「同じチームにいても、毎年『昨シーズンとは何か変えよう』と思っています。例えば、住む家も変えたし、円になってアップする時の場所も昨シーズンと違う場所を選んだり、できるだけ新しいことをやるようにしています。

　もちろん同じ場所のほうが安心したり、しっくりくるとは思うんですけど、それだと、成長がないというか。新しいものをどんどん取り入れていかないと成長はないと思っているので、スキルの部分ももちろん新しいことに挑戦しますけど、それ以外も、同じようにはしないようにしていますね」

イタリア視察に訪れた日本代表ブラン監督、伊藤コーチと談笑する石川　©︎Noriko Yonemushi

　居心地のよさよりも、自分が成長できる道を探す。その姿勢が石川を高みへ押し上げ続ける。次はリーグで再び頂点に挑み、その先には、パリ五輪が待っている。