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バレーボールPRESSBACK NUMBER
愛称は「かおる姫」、写真集も発売…元人気女子バレーボール選手・菅山かおる44歳が「あのニックネームは本当に幸せでした」と語る理由
posted2023/12/23 11:07
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
L)BUNGEISHUNJU、R)Takuya Sugiyama
現役時代、「かおる姫」という愛称で一躍、時代の人となった元バレーボール日本代表選手の菅山かおるさん。インドアからビーチバレーボールへと転向し、その後、結婚、出産を経験した。結婚相手の西村晃一氏もまたインドアからビーチバレーボールに転向後、50歳となった今でも現役でバリバリ活躍中である。トップアスリートであり、日本代表という同じ経験を持つ稀有な夫婦だ。
現在は二児の母となり、子育ての真っ最中だとか。どのような生活を送っているのか聞きたいと、取材をお願いした。現在44歳のかおるさん、現役時代と変わらぬスリムな体型と、柔らかい笑顔で待ち合わせ場所に現れた。
◆◆◆
まずは去年から再開したというインスタグラムの話題から会話はスタートした。
「これまでは子供が小さかったこともあって、あまりお友達に会って遊ぶこともなく、とにかくずっと家にこもっていたので(笑)、更新しようにも話題がなかったんです。でも子供が一人で習い事に行くようになって、わたしの手を離れたので、外に出てお友達に会ったりする機会は増えました」
12歳になる長男は、元日本代表の木村沙織さんがアンバサダーを務める大会に出場。木村さんとは久しぶりの再会を喜び合ったという。
かおるさんが初めて日本代表のユニフォームに袖を通したのは2005年のことだった。ちょうどメグカナコンビ(大山加奈さん、栗原恵さん)の活躍で、アテネオリンピックで5位入賞を果たした直後。女子バレーボールの人気が沸騰していたころだ。現在はネーションズリーグと名前を変えた『ワールドグランプリ』でかおるさんは日本代表デビューを果たした。
「“かおる姫”ニックネームは本当に幸せなことでした」
凛とした佇まいと、色白美肌のビジュアルが人気を博し、試合での大活躍もあって瞬く間にスター選手となった。「かおる姫」という愛称はテレビ局によってつけられたもの。栗原恵さんはのちにテレビ番組で「“プリンセス・メグ”というニックネームは嫌だった」と明かしているが、実際、かおるさんは「かおる姫」という愛称をどうとらえていたのだろうか?
「特に嫌だとは思いませんでした。ただ、恥ずかしかったですね。日本代表に選ばれて、お披露目の会見で一人ひとり選手が呼び出されるときにその愛称が発表されたんですが『えっ? 姫?』と(笑)。わたしの実際の性格はとてもサバサバしていて、姫というよりはオジサン。それを知っている日本代表のチームメートに『姫だって!?』と笑われたことを覚えています」
そのニックネームのインパクトと、日本代表での活躍もあり、かおるさんの人気はあっという間に全国区となった。
「日本代表に選ばれるまでは、試合に応援に来てくれるのは会社の人やJT(当時の所属先)のファンの方だけ。もちろん、それもありがたかったのですが、それがいきなり、どこへ行っても会う人がみんな『かおる姫』と呼んでくれて、いろいろな人が応援してくれるようになりました。わたしにとっては本当に幸せなことでしたね。『かおる姫』というニックネームのおかげで、あれほどたくさんの人に名前と存在を覚えてもらえたんだと思います」