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森保ジャパン守田英正28歳“日本に伝わらない”ポルトガルで認められた勲章…敗戦で目は充血も「5万人の敵地ダービー大ブーイング」
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/11/19 17:03
日本代表の中盤の主力である守田英正は、ポルトガルの名門スポルティングでも重要な役割を果たしている
実は、守田は直近3試合を負傷のため欠場。ダービーの出場も危ぶまれていた。
しかしスターティングイレブンとして出場すると、怪我の影響を感じさせない軽快な動き、正確なタッチでボールを捌く守田の姿を撮影することができた。
現地報道によると、前日の練習にも参加することが出来ていなかったというだけに、首位を走るチームでの守田の重要性が再確認される起用となった。
試合前、混雑を避けるため、キックオフの2時間ほど前にスタジアムを目指した。
その甲斐あってか、市内中心部から地下鉄で10分程の車内も比較的快適だった――と思っていたが、スタジアム最寄のAlto dos Moinhos駅を出ると、祭りを想起させる様な屋台のネオンとそこまでをびっしりと埋める人だかり。
すでにリスボンダービーという祭りは始まっていたわけだ。
約5万人の大観衆、上手い相手にも臆さずに
試合開始が近づくにつれ徐々に客席が埋まっていく。
選手入場の直前、6万5000人強のキャパを誇るエスタディオ・ダ・ルスを埋めるサポーター、その目前を優雅にクラブの象徴である鷲が周遊し空気を盛り上げる(なんとか飛んでる鷲にピントを合わせることができ、カメラマンとしての満足感を得た)。
さらに、その名の通り「光(ポルトガル語でルス)」の演出で、スタジアム全体、緑と白のスポルティングファンも監督もが赤く染まる中、両チームメンバーが入場してきた。
守田はピッチ中央、ボランチのポジションでプレー。日本代表でも見せるプレーのように――危険を察知し、相手のボールホルダーに激しく詰め寄る。また声を張り上げ、仲間へ指示を飛ばす姿が目を引く。件のネビスはより広範囲に動き、攻撃の起点としてボールを引き出し流れを作る。
一目で“この選手、上手いな”と感じさせるプレーだったが、早々に守田からのネビスへのプレスも厳しくなる。互いのプライドをかけた両者の激しいやり合い、プレーが切れた後も揉み合う2人に、ベンフィカのキャプテン、オタメンディが駆けつけて参戦、守田も鋭く睨みつけていた。
ゴール裏サポーター席からは、幾数もの発煙筒が焚かれ、荒ぶる空気がスタジアムを包む。一時はその焚かれた煙がピッチを覆い、撮影に支障が出るほどだった。
負傷明けにも関わらず守田は終盤まで奮闘した
45分、マーカス・エドワーズのパスに抜け出したビクトル・ギョケレスのシュートが決まり、スポルティングが先制。ただ激しい攻防の結果、スポルティングには2枚のイエローカードが出されている。