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「あの平野美宇にも勝利」張本美和(15歳)の“成長速度”がスゴかった…それでも「パリ五輪選考レースは6位」のナゼ? 日本卓球女子の今 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2023/11/03 11:03

「あの平野美宇にも勝利」張本美和(15歳)の“成長速度”がスゴかった…それでも「パリ五輪選考レースは6位」のナゼ? 日本卓球女子の今<Number Web> photograph by AFLO

WTTチャンピオンズ フランクフルトにて、平野美宇に勝利した張本美和

 14位という世界ランキング以上に、その成長の度合いは加速している。

 5月に行われたパリ五輪シングルス代表選考大会「全農カップ平塚大会」では早田に敗れたものの準優勝を果たした。

なぜ代表選考レースでは「6位」?

 9月、中国・杭州で行われたアジア大会には女子団体、女子ダブルスに出場。中国との団体決勝では2021年世界選手権金メダルの王曼昱と対戦。敗れはしたが第1ゲームを奪い、第4ゲームでも終盤までリードするなど善戦。また、木原美悠と出場したダブルス準々決勝では2019、2021年世界選手権を連覇している孫穎莎/王曼昱から金星をあげて銅メダルを獲得。地元中国でも、「次代の星」「中国にとって今後の脅威」と脚光を浴びた。

 パリ五輪代表選考にあたっての日本独自のポイントでは現在6位。ポイント対象大会は2022年からスタートしているが、当初遅れをとったこと、今年5月の世界選手権などの代表になれなかったことでこの位置にいる。

 原則、選考対象大会は残り2つであることから、ストレートにシングルスの五輪代表に内定する2位以内、あるいは3位になるのは現実的にはかなり厳しい。ただ、関係者の語った、「あと1年あれば」という言葉は、張本の急速な進歩と今後の可能性を示唆している。次の時代を牽引する存在と期待を集めるのも、その成長の度合いや成績からすれば自然なことだろう。

「悔しいです」と涙をこぼすことも

 現在では身長166cmであるように、日本では身体面にも恵まれてきた。以前からフォア、バック、双方のドライブの威力も強みとしてあげられている。

 小学校を卒業するとともに、川崎市に拠点を置く卓球の育成機関「木下卓球アカデミー」に加入するため生まれ育った仙台市を離れたように、強くなりたいという意思も強かった。兄同様、懸命に卓球に打ち込み、国際大会や年上の選手との対戦も重ねる中で経験を積んだ。

【次ページ】 見据えるのはパリ五輪、そしてその先

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