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「あの平野美宇にも勝利」張本美和(15歳)の“成長速度”がスゴかった…それでも「パリ五輪選考レースは6位」のナゼ? 日本卓球女子の今
posted2023/11/03 11:03
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
課題とともに、また1つ成果をあげた。
10月29日、卓球の「WTTチャンピオンズ フランクフルト」が開幕した。海外ツアーの1つで、世界ランキング上位30名(1国あたり4名まで)と開催国1名、推薦1名の計32名による、高いレベルを誇る大会だ。
開幕早々、注目を集めた結果があった。女子シングルスの1回戦で、張本美和が平野美宇を3-1で破ったのである。
第1ゲームは7-11で失うが、第2ゲームはレシーブから攻めるなどして奪う。第3ゲームもラリーを制して2-1、第4ゲームも序盤からフォア、バック、両ハンドからの攻撃で11-7と押し切り、勝利した。
続く2回戦の早田ひな戦では緊張があったか、第1ゲームを2-11でとられ第2ゲームも7-11。第3ゲームもリードを許すが逆転して奪った。第4ゲームをとられ敗れはしたが、早田相手に9-11と食い下がる場面も見せた。
早田との試合も含め、実力者である平野をこの舞台で破ったことは、脚光を浴びるに値する。
世界ランク以上の“成長速度”
張本は、東京五輪にも出場し男子のエースとなった張本智和の妹。現在は15歳、中学3年生だ。
今大会の女子シングルスに日本から参加したのは世界ランキングの順に、4位の早田ひな、10位の伊藤美誠、14位の張本美和、17位の平野美宇。つまり世界ランキング的には日本勢3番手としての出場であった。早田、伊藤、平野というそうそうたる顔ぶれにまざり、15歳ながら鎬を削る位置にいる。