Number的、ウマ娘の見方BACK NUMBER
ゴールドシップ「ゲートからうまく出られなくてな」キック&大出遅れの伝説も再現…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』を考察してみた【ウマ娘考察#3】
posted2023/10/20 18:01
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by
©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
本稿では、主人公のキタサンブラックがゴールドシップら年上の世代に挑んだ第3話を振り返る。モチーフとなった史実との共通点や、『ウマ娘』ならではのこだわりをピックアップした、Number Webとしての考察を楽しんでいただきたい。(前回は#2へ)
シュヴァルグランが語った春先の怪我
第3話はサトノダイヤモンドのデビュー戦から始まる。史実ではキタサンブラックのひとつ年下であり、菊花賞の2週間後、雨の京都で初出走を飾っている。
祝勝会にはキタサンブラックのほか、サトノクラウン、シュヴァルグランの姿も。史実ではこの4頭で2017年のGⅠ戦線を中心に激闘をくり広げていたライバル関係である。なお、1歳下のサトノダイヤモンドを除く3頭は同い年。
「まずは皐月賞でサトノ家悲願のGIタイトルを必ず獲ります!」と抱負を語ったサトノダイヤモンド。第1話でも触れられていた“サトノのジンクス”は、ここでも再び言及されている。
「春先の怪我でクラシックに出走できず悔しい思いをした」と語ったのはシュヴァルグラン。史実でも、1月の若駒ステークスを前日に右肩跛行で出走取消し、その後毎日杯、京都新聞杯でも敗れてクラシック出走を逃している。その後、キタサンブラックが菊花賞に挑んでいたその裏で、条件戦で連勝を重ね4歳春の天皇賞でGI初参戦を決めることに。
なお、皐月賞、ダービーでは姿を見せていたものの菊花賞にはいなかったサトノクラウン。史実でも菊花賞ではなく天皇賞に参戦していて(17着)、菊花賞にはダービー2着のサトノラーゼンが出走した(5着)。また、サトノクラウンとサトノダイヤモンドは同じ馬主ということもあってか、生涯で同じレースを走ったことが2018年の宝塚記念、ジャパンカップの2回しかない。
ゴールドシップ「ゲートから上手く出られなくてな」
場面は変わってチーム<スピカ>の練習風景へ。そこで暴れていたのは、キタサンブラックのチームメイトであり、『ウマ娘』ではトリックスターとしてさまざまな活躍を見せているゴールドシップだった。