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「もっと点が入ってもおかしくなかった」ドイツ戦4-1快勝のウラで鎌田大地が口にした“余裕”「代表で点を取りたいけど、そこまで焦りはない」
posted2023/09/14 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Daisuke Nakashima
日本代表がドイツのヴォルフスブルクでドイツ代表を4-1で一蹴した。カタールワールドカップのグループリーグで対戦してから290日余り。敵地での再戦で世界のサッカーファンが目にしたものは、結果だけでなく、試合内容でもドイツを上回った日本サッカーの充実ぶりだった。
対照的だった日本とドイツ
カタールW杯で対戦したときとは違う。あの時は序盤から主導権を握られる苦しい試合展開ながらも最後のところでしのぎきり、後半一瞬のスキを見逃さずに逆転劇へとつなげたが、今回は試合開始直後から明確なゲームプランでしっかりとドイツ相手にリードを奪うと、後半もゲームコントロールしながら相手の攻撃を抑えきり、終盤の2ゴールでとどめを刺すという見事な試合運びを見せた。
そこには積み重ねてきた成熟がある。ピッチにいる選手全員がやるべきことがわかっているから、判断スピードが速い。それぞれの選手が持つ武器の活かし方をチームで共有できているから、選択はシンプルでも脅威となる。
一方、雪辱を期して臨んできたはずのドイツは、W杯後の戦績が日本戦まで5試合でわずかに1勝と不振の沼から抜け出せないでいた。特に守備が中途半端だったどころか、いつ、だれが、どこで、どこから、どのようにアプローチするのかというのがまるで整理されておらず、それぞれの守備が単発止まりなので、どうにもボールを奪いきれない。
ただドイツサイドにそんな荒さがあったとはいえ、日本は終始とても冷静に、そして賢くパスを回しながら相手のプレスを回避し、攻撃へとリズミカルに移行していた。そのかじ取りを支えている選手の一人が、鎌田大地だ。
自分たちが成長してると実感
試合後のミックスゾーンで、「ドイツのプレスに対してパスの出口をうまく作り出せていたのでは?」という質問に対して、確かな感触をつかんでいることをうかがわせる答えを返していた。