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「日本に恩返し」ホーキンソン、「大事な場面で点を」若き比江島慎の宣言がついに…ホーバスが作った「スーパーチーム」バスケ日本代表
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/09 17:00
バスケW杯でのホーキンソンとホーバスHC。勝利のために誰もが全力を尽くした
2021年10月、ラグビー元日本代表HCであるエディー・ジョーンズ(現オーストラリア代表HC)との対談では「コーチは選手たちにプレッシャーをかけ、冷静に振り返ることを繰り返すことで選手たちを成長させることができると思うのです」と、厳しいながら合理的な練習方法でチーム力を引き上げようという姿勢が話題にもなっている。
そんなホーバスHCのコーチングが脚光を浴びたのは、東京五輪での女子バスケットボール、初の銀メダル獲得だった。
2017年の就任会見で「東京五輪の決勝でアメリカに勝って金メダルを獲る」と宣言したときはさすがに無謀なのでは……と見られ、この大会では大黒柱の渡嘉敷来夢を負傷で欠くなど、前評判は決して高くなかった。
「コーチングとは人間との関係性を築くこと」
しかし最新のNBA戦術を導入し、5人全員がアウトサイドプレーヤーとなる「ファイブアウト」という戦術を浸透させると、アシストを量産したPG町田瑠唯、キャプテン高田真希らの覚醒を導いた。決勝で敗れはしたものの、最強のアメリカ相手にメンバー12人全員が得点を決めたのが、「スーパーチーム」とホーバスHC自身が評したチーム力の高さと言えた。
東京五輪後、男子チームのヘッドコーチに就任したホーバスは、エディーとの対談で「バスケットボールはバスケットボールであり、コーチングとは人間との関係性を築くことに変わりはありませんから」と語った通り、女子でも確立したチーム哲学を注入した。
前述のホーキンソン、比江島はもちろん、大黒柱の渡邊雄太や長年ジャパンのメンバーだった馬場雄大に富樫勇樹。そして河村勇輝や富永啓生といった新世代が融合する好チームを作り上げ、W杯でのパリ五輪切符獲得を成し遂げた。