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久保建英の“映像では見られない”「開幕ゴールの歓喜→顔を覆ってガッカリ」をカメラマンが撮った「ソシエダが勝ち切るためには久保の…」
posted2023/08/17 11:14
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
久保建英が2シーズン連続となる開幕節ゴールで存在感を示した。
ラ・リーガ23-24シーズンが開幕。
久保が所属するレアル・ソシエダは、ホームでジローナを迎え撃った。
昨季4位でリーグを終え、念願のCL出場権を獲得したチームは、昨シーズンの戦力を維持しつつ着実な補強を行っているように思えていた。
しかし開幕を目前に控えたトレーニング中、エースのダビド・シルバが負傷し引退を余儀なくされ、補強戦略に大きなギャップが生まれている。そんなバスクのチームのシーズン初戦を撮影するためにサンセバスチャンを訪れた。
「14番TAKE」ユニの子供達も
キックオフは17時。
スペインのお昼時は遅く、14時前後と言われる。ゆったりとランチを食べ終え、サッカー談義をつまみにワインを飲めば、スタジアムへ向かうのにもってこいの時間になる。
日差しは強く暑さを感じさせるが、日陰に入るとひんやり心地良い。
リーガが再開されるこの日、街のテラス席にはユニホームを着てあれこれ盛り上がるたくさんのサポーターの姿があった。それらの席を縫うように、巣立ちビナを連れ添った雀がパンくずを求めて飛び交う。
この日の入場者数は、3万人超。その中には、今シーズンの新ユニホームに「14番TAKE」をプリントしてもらった子供のファンの姿も。選手らがアップのために姿を現すと大きな声援が送られ、選手たちも笑顔でファンに応える姿があった。
両チームが入場し、集合写真が撮られる。その後、久保はキックオフ直前のルーティーンとなっている給水、顔などを濡らして戦闘モードへ入っていった。
今季初ゴールは久保らしい冷静さと技だった
試合開始早々の前半5分、左サイドを駆け上がったアイエン・ムニョスからのグラウンダーのクロスに、大外から走り込んだ久保が左足で合わせ、今季ソシエダの初ゴールをマークした。
ソシエダの左サイドバックがボールを持ち運ぶと、ピッチ中央では、CFに入ったカルロス・フェルナンデスが相手両CBを引き連れてゴール前に侵入する。その1列後ろに詰めるブライス・メンデスに相手左サイドバックが引きつられたことによって、久保はゴール正面、ぽっかりと空いたスペースにフリーで走り込む。
鋭いクロスに左足を合わせた久保は、ファーサイドへ丁寧にふかさないことを念頭に置いたシュートを放った。
シュート直前には目線で、ニアサイドを撃ち抜くフェイントをかけていただろうか――相手GKは、一歩も動けぬまま膝から崩れ落ちるようにボールを見送ることしかできなかった。
幸先の良い、ゴール前での冷静さと技の光る一撃で、サポーターを盛り上げると、仲間たちからももみくちゃにされシーズン初ゴールを祝った。