決勝のアメリカ戦では、安藤が先発するも後半21分に交代。代わりに出てきたのが永里だった。永里は最初の失点のきっかけを作ったものの、同点ゴールの起点にもなった。

「入ってすぐに自分の判断ミスで失点を招いて、試されているなって感じました。その状況を生み出したのは紛れもなく自分自身だったし。同点ゴールを生み出すきっかけになったプレーも、自分の中ではすごくイメージ通りのプレーだったし、そこからはチームとしての見えない力を感じるようになりました。今後のヒントも見つけましたよ。まぁ、ぼんやりとですけどね」

長く持ちすぎでしたよね、すみません（笑）。でも…

　安藤は試合後にスタンドへ行き、知人たちに挨拶したときのことを笑いながら明かした。

「（デュイスブルクの）チームメイトからは、『今日はすごいよくやってたね！　でも、なんで交代させられたんだ？』って言われて、私も『だよねぇ』とか返しました（笑）」

　今大会、永里は1ゴールを決めたものの、最後の2試合で先発から外れた。安藤はすべての試合で先発。チームのために汗を流したが、ノーゴール。丸山や川澄がゴールを決め、一躍時の人になったのとは対照的だ。

　だが、苦悩する2人がいたからこそ、数々のゴールが生まれたのも事実だ。

　表彰式を終え、選手たちはピッチを一周した。そこで長い間トロフィーを掲げていた2人がいる。永里と安藤だった。

「長く持ちすぎでしたよね、すみません（笑）。でも、『なんでみんなそんなに喜ばないんだろう』と永ちゃんと話してたんです。ドイツでは、嬉しいときは結構ハジけるんで。みんながカップをとりに来ないから、長く持っちゃいました」

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