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「フルトンの鼻血は“命取り”だった」“井上尚弥を最も苦しめた男”が見た、敗者の異変「井上くんに完敗でもフルトンは称賛されるべき」
text by
林壮一Soichi Hayashi Sr.
photograph byNaoki Fukuda
posted2023/07/26 20:30
スーパーバンタム級転向初戦で2団体王者フルトンを沈めた井上尚弥。8ラウンドTKO勝ち直前のシーン
「次が4冠戦ですかね。十分やれるでしょう。スーパーバンタム級でも4団体を統一したら、今回のセミファイナルでWBOフェザー級タイトルを防衛したロベイシ・ラミレスと戦ってもいいんじゃないかな。その場合も、自分は井上くんがKO勝ちすると思います。
本当に漫画みたいですよね。漫画の世界には、飛び抜けた存在の凄い主人公がいるじゃないですか。井上くんは、もはやフィクションを超えた領域まで達しているんじゃないでしょうか」
2012年5月にスパーリングで、2013年8月には日本ライトフライ級タイトルマッチで、2014年10月にもスパーリングで“モンスター”と拳を交えた田口は、4階級を制したかつての宿敵に、こんなエールを送った。
「世界チャンピオンになれたことも、井上尚弥と戦えたことも、自分の人生において誇りです。ボクシング史上最強の男は誰か? と訊かれた時、モハメド・アリ、マイク・タイソン、フロイド・メイウェザー・ジュニアなど様々な答えがあるでしょう。一人でも多くの人から『井上尚弥』と言われるところまで行ってほしいですね。人によって考えが違うのは当然ですが、パーセンテージで言ったら井上尚弥の名を挙げる人が一番多いという存在になってもらいたいです」
進化するモンスターは、どこまで伸び続けるか。
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