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[有力候補の顔ぶれ]2023年の賞レースを占う マクラナハン/コール/カーショウほか

posted2023/07/07 09:02

 
[有力候補の顔ぶれ]2023年の賞レースを占う マクラナハン/コール/カーショウほか<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

SHANE McCLANAHAN シェーン・マクラナハン(レイズ)

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph by

Yukihito Taguchi

日本投手に立ちはだかる多士済々のエースたち。早くも2桁勝利の左腕から4度目を狙うベテランまで最優秀投手の栄誉を巡る両リーグの争いを詳報する。

 数字の違いで計れるタイトルとは異なり、1956年に制定されたサイ・ヤング賞には、長年、明確な選考基準が存在しない。勝利数、防御率、投球回数、奪三振数だけでなく、近年はデータで細分化された多くの指標があり、「最優秀投手」の基準は定かではない。投票権を持つ各記者によって、重要視する項目が分かれることもあり、発表後に論議を呼ぶことも少なくない。裏を返せば、圧倒的な数字を残すか、全部門で高い水準をクリアしない限り、サイ・ヤング賞には届かない。

 時期尚早とはいえ、現時点ではだれが最も'23年のサイ・ヤング賞に近いのか。

 ア・リーグの最有力候補として、3年目で一気に突き抜けた左腕シェーン・マクラナハン(レイズ)の名前は外せない。26歳の若さながら、最激戦区のア・リーグ東地区で首位を快走するレイズの絶対的なエースに成長した。2年連続で開幕投手を務めた今季は、開幕から無傷の8連勝と、チームの快進撃の原動力となった。その後も順調に白星を重ね、オールスターを前に、早々と3年連続の2桁勝利に乗せた。

 南フロリダ大出身のマクラナハンは、'18年ドラフト1巡目(全体31位)でレイズに入団した。だが、ブレーブスから1巡目(全体8位)で指名されたカーター・スチュワート・ジュニア(現ソフトバンク)ら他投手ほどの高評価ではなかった。在学中にトミー・ジョン手術を受け、リハビリ途上だったこともあり、「伸びしろ」を見込んだレイズが上位指名で獲得した。

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