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「ロコ・ソラーレには全員パートナーがいた」世界選手権・銀メダルペア、北海道の谷田康真が“軽井沢の才媛”松村千秋と組んだ理由「何でもできる女性で…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byWCF / Eakin Howard
posted2023/06/24 17:00
ミックスダブルスでは初となる世界選手権のメダルを獲得した松村千秋・谷田康真のペア。谷田から誘って組んだというペアの成り立ちを聞いた
「どうしても片手間というか、そういうところはありましたね」
2人の主軸はあくまでも4人制であった。それぞれの所属チームで、オリンピックを、世界選手権を目標としてきた。だから谷田は、2016-2017シーズンにミックスダブルスでも日本選手権に出たものの、その後の2シーズンは「4人制に集中していたのと、そこまでダブルスに関心がなかったので」、プレーすることはなかった。
そんな2人が新たにペアを組むようになったのは2019-2020シーズンのこと。
きっかけを谷田がこう語る。
「2020年の日本選手権で、また日本カーリング協会の方から、強化推薦チームというものを出します、僕がその候補選手になっているけどどうしますか、という内容の連絡がありました。そこで、やってみようかな、と思いました」
最初は、ロコ・ソラーレの選手を考えていました
では誰と組むか。相手を考えた。
「最初は、ロコ・ソラーレの選手を考えていました」
一緒に練習するには距離が近い選手がいい。北見市に暮らす谷田が、北見市常呂町に拠点を置いて活動するロコ・ソラーレを思い浮かべるのは自然なことだった。
「でもロコ・ソラーレの選手は全員パートナーがいましたので、入る隙はないなと思いました。次に思い浮かぶ選手は、松村選手しか僕にはいなかったので、彼女に連絡しました。もともと大人数の中で一緒にご飯を食べに行ったり、何度か話もしたことがあって話が合うな、というか、仲のいい存在でした」
すべて高いレベルでできる、欠点が少ない選手
拠点が軽井沢と遠く離れた松村を思い浮かべたのはそればかりが理由ではなかった。むしろ他に大きな要素があった。