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「中華料理店を探しておけ」“スター嫌い”トルシエは意外と優しい?「FIFA指定の劣悪ホテルを直談判で変更」黄金世代ワールドユース準V秘話
text by
山本昌邦&武智幸徳Masakuni Yamamoto&Yukinori Takechi
photograph byKazuaki Nishiyama
posted2023/06/20 11:01
日韓W杯時の監督を務めたトルシエ氏
武智 選手じゃなくても、食べ物は、やる気に直結しますしね。「武士は食わねど高楊枝」みたいなことをほざいている国は絶対に勝てませんよね。
山本 トルさんはピッチ外のことに、とても才能があった監督だったと思います。やるのは選手ですから、彼らの力を発揮させようとしたし、させるのがうまかった。
日韓W杯でもフラットスリーをベースに
武智 ピッチ内の準備については、いかがですか。
山本 準備したことの一つとして、フラットスリーがありますよね(フラットに並んだ3人のセンターバックで最終ラインを形成)。それをベースにプレスをかけてボールを奪い、オフサイドも狙う。そういう戦術を持って臨んだ2002年大会の初戦のベルギー戦では、まんまと裏を突かれて失点してしまった。ただ、トルシエ監督とともに過ごしてきた選手たちはタフで、彼らが話し合って修正を施し、続くロシア戦に臨みました。闇雲にハイラインにしないようにし、勝利をつかんだわけです。森岡隆三が負傷して宮本恒靖が3人の真ん中を務めましたが、トルシエ監督の考えを理解しつつ、臨機応変に対応できる選手たちでした。ロシア戦の勝利はW杯で初めての勝利でもありましたし、その後の戦いにつながるとても大きな1勝でした。
武智 日韓大会のみならず、日本のW杯の歴史を振り返っても大きな1勝で、流れに乗るきっかけにもなりました。<#2「オシム編」、#3「森保一編」につづく>
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