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「打率.438!」鈍足の天才DeNA宮﨑敏郎34歳と「4割打者の激レア度」 近藤健介は規定未満.413…バースやイチロー、張本勲は? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/05/22 17:27

「打率.438!」鈍足の天才DeNA宮﨑敏郎34歳と「4割打者の激レア度」 近藤健介は規定未満.413…バースやイチロー、張本勲は?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

まさに「打ち出の小槌」状態の宮﨑敏郎。打率4割台をどこまでキープできるか

「本塁打以外の安打率」をBABIP(Batting Average on Balls In Play)というが、これは大体3割となる。打者の場合、BABIPが3割を大きく超えている場合は、いずれは3割前後に落ち着き、それにともなって打率も下降すると言われている。

 BABIPは「(安打-本塁打)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)」の計算で導き出せるが、今季のセ・リーグのBABIPは.294、そして宮崎のBABIPは.417。BABIPの考え方で言えば、宮﨑のBABIPは3割に近づき、それにともなって打率も4割を切ることが予想される。

「4割打者」の可能性は限りなく小さいだろうが…

 MLB公式サイトによると4割打者は過去に27人いる。しかし1941年のレッドソックス、テッド・ウィリアムスの.406(456打185安)を最後に4割打者は出ていない。

 進化学者にして作家、MLBファンのスティーヴン・ジェイ・ グールドは『フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説』という著書で、「4割打者の絶滅」について、興味深い説を披露している。

 グールドは「生物の進化」に絡めて「4割打者」の絶滅を説明している。

 まだリーグの体制がしっかりしていなかった時代は、草野球で投げていた投手がスカウトされていきなりMLBで投げるようなケースが数多くあった。選手の実力差は大きく、傑出した打者が実力的に劣る投手を打ちまくって安打を量産し、高打率を記録した。しかしリーグの体制が整備され、選手の育成システムが確立されると、メジャーにはそれなりの実力を備えた投手しか昇格しないようになった。だから打者も以前のように打率を稼ぐことができなくなった。

 つまり「選手の実力差が小さくなった」ことが、4割打者絶滅の原因だというのだ。

 これはおそらくNPBでも同様だろう。1965年のドラフト制施行以来、選手の実力差は小さくなっている。それに比例するように4割打者出現の可能性は、以前より小さくなっているのではないか。

 こうしてみてくると宮﨑敏郎がNPB初の「4割打者」になる可能性は、限りなく小さいように思えるが――それだけに「奇跡」を起こしてほしいと思う。

1週間の成績を振り返ってみると…

【2023年5月15日~21日 週間成績】
パ・リーグ
ロッテ5試4勝0敗1分 率1.000
日本ハム6試4勝2敗0分 率.667
ソフトバンク5試3勝2敗0分 率.600
西 武6試2勝4敗0分 率.333
楽 天4試1勝3敗0分 率.250
オリックス6試1勝4敗1分 率.200

 ロッテが絶好調。ここ2週間で1敗しかしていない。日本ハムも新庄監督デザインのユニフォームで勝ち進み最下位から4位に。対照的にエース山本由伸が「特例2023」で戦線離脱したオリックスは3位に転落。

〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標であるRC=Run Create順
万波中正(日)19打6安2本4点0盗 率.316 RC4.69
頓宮裕真(オ)20打9安0本1点0盗 率.450 RC4.64
外崎修汰(西)20打4安1本3点3盗 率.200 RC4.22
松本剛(日)21打7安0本2点0盗 率.333 RC4.01
フランコ(楽)13打6安1本1点0盗 率.462 RC3.91

 日本ハムの万波がリーグ最多の2本塁打、最多タイの4打点。4打点はロッテ岡大海、オリックス中川圭太も記録。オリックス頓宮は3二塁打1本塁打。盗塁は西武の外崎が3でトップ。

〈投手成績上位〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順
上沢直之(日)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.71
加藤貴之(日)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.41
早川隆久(楽)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.11
髙橋光成(西)1登6回 責0率0.00 PR1.81
種市篤暉(ロ)1登9回 責1率1.00 PR1.71
西野勇士(ロ)1登1勝9回 責1率1.00 PR1.71

 日本ハムの先発陣が引き続き好投。上沢は5月17日の西武戦で120球で2018年以来の完封勝利を挙げた。先週完封勝利した加藤は、19日のオリックス戦で8回零封勝利。救援では、ソフトバンクのオスナが2セーブ、ロッテのぺルドモ、ソフトバンクのモイネロ、日ハムのロドリゲス、宮西、オリックスの本田、西武の佐藤隼が2ホールド。

【次ページ】 DeNA関根はこの1週間で打率5割!

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