「さあ、行こう」「頂点への道！」

　場面は変わり、控え室へ。緊張感高まる中、トレーナーは「迷いはないか？」とナリタトップロードに尋ねる。それにナリタトップロードは迷いなく応え、レースへと向かっていった。これは史実でもレース前に沖芳夫調教師と渡辺騎手とのあいだであったというやり取りである。

地下バ道で三強が横に並ぶ　©Cygames, Inc.

　地下バ道で三強は言葉をかわし、スターティング・ゲートに入っていく。ウマ娘たち15人で最後に入ったのが1番人気の14番アドマイヤベガというのも史実通り。そして「さあ、行こう」という杉本清アナウンサーの名調子に作中では「頂点への道！」と足して、レースはスタートする。

実際のレースではなかなか見られない角度からの描写も見どころの1つだ　©Cygames, Inc.

ライスシャワー「少し……ペースが遅い？」

　レースは史実の展開を忠実になぞりながら進んでいく。ナリタトップロードは内から進出していき、1周目ホームストレッチには3番手で進入。まさにトレーナーの“リスクを取ってでもこっちがペースを握る”作戦通りだった。一方、アドマイヤベガとテイエムオペラオーは中団に控える。とくにアドマイヤベガは外枠だったこともあって、思うようなコース取りができていなかった。テイエムオペラオーは道中チラッと視線を投げるなど、アドマイヤベガをマークするような形で進んでいた。

　しかしレースはかなりのスローペースに。ライスシャワーが「少し……ペースが遅い？」とつぶやいたように、史実でも1000メートル通過でなんと64秒3もかかっている。好位をキープしたナリタトップロードは、後ろを振り返ってアドマイヤベガ、テイエムオペラオーの位置を確認している。当時の映像を見ると、渡辺騎手も何度も後ろを振り返っているのがわかる。

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