侍ジャパンPRESSBACK NUMBER

大谷翔平の参加表明から「WBCチケットがプレミア化」全試合観戦ファンが知る“昨夏なら意外と簡単に買えた”いくつかの要因 

text by

Aki

AkiAki

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2023/04/02 11:00

大谷翔平の参加表明から「WBCチケットがプレミア化」全試合観戦ファンが知る“昨夏なら意外と簡単に買えた”いくつかの要因<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

昨夏の段階ではWBCチケットは“買いやすい”状況だったという。大谷翔平の参加が決まってから一気に熱が上がったようだ

 シングルチケットが最初に販売されたのは、各球団ファンクラブ会員限定の先行抽選だったようだ。前述した全試合パックの締め切り翌日である10月頭から、球団のファンクラブページを通して抽選の申込みを行う形である。筆者はここで家族分などの手配をした。申し込んだすべての試合が第一希望で当選していたので、この時点での入手倍率は高くなく、かなり取りやすい状況だったのだろう。

 要因としては、MLB勢の参加見通しの不透明さに加えて、〈WBCのチケットは基本的に高い〉ということもあったのではないか。ライト外野の指定席で巨人戦であれば1席2300円の席がWBCだと6000~7000円、約3倍の料金だった。

大谷の参加発表後、昨年のうちに販売は終了していた模様

 振り返ると世界一となった2006年と2009年WBCの東京大会、日本戦でもチケット販売にかなり苦戦していた印象だ。実際、筆者も二次流通サイトで試合開催日当日にベンチ上最前列を定価の半値以下で入手したケースもある。当時を知るファンは慌てて買わなくてもいつでも買えると思っていたのでは――と推察する。

 そしてこれ以降、プレイガイドでの先行抽選、一般販売、東京ドームでの窓口販売など販売が進むにつれてチケットの争奪戦が熾烈になっていったように感じる。その最大の要因はやはり大谷翔平のWBC参加表明だったのだろう。年内には全ての販売を終了していたようで、そこから年明け以降〈チケットが手に入りづらい〉といったような報道に繋がったのではないか。

日本におけるWBC人気が定着した証拠では

 とはいえ今回のチケットの売れ行きは、日本におけるWBC人気が定着した証拠と言える。大谷翔平人気、さらにはWBCが第5回と歴史を積み重ねたことで、日本国民の中で盛り上がるイベントのひとつとして認知度が上がった結果だろう。当然チケット代は相当な出費となったが、子供や甥が〈本当に楽しかった、ありがとう〉と言ってくれた。満員の観客、3年ぶりの声出し応援、体を突き上げる音、熱量と一生の思い出になってくれたと思う。

 WBCの優勝後、大谷翔平は3年後のWBCについて「出たいですね。僕自身がまずは一定のレベルにい続けることが条件ですし、もちろんそうなるために最善の努力を毎年したいなと思います」と前向きな姿勢を示している。それだけに次回のチケット確保に関しては――今回のようには行かないだろうと思いつつ――もし見たいと考えているファンの方々に、少しでも参考になればと書かせていただいた。

 ちなみに筆者は2009年大会は仕事や子供がまだ小さかったこともあり、決勝を現地観戦できなかったことをずっと後悔していた。なので2022年のうちにマイアミでの準決勝・決勝に備えて、直前までキャンセル可能な航空券とホテル、日本がその舞台に立っていると信じて決勝戦のチケットを押さえていた。その結果、歴史的瞬間に立ち会うことができた。

 そこで#2以降の記事では、東京ラウンドや決勝ラウンドを現地観戦して触れた〈映像では伝わりきらない空気感〉をファン視点でお伝えできればと思う。

#2へつづく)

#2に続く
「ヌートバーの初球打ち、“大谷翔平の第1球前”がスゴかった」映像で伝わりきらない“WBC名場面のナマ空気”「佐々木朗希はチェコの…」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

関連記事

BACK 1 2
#大谷翔平
#ダルビッシュ有
#吉田正尚

プロ野球の前後の記事

ページトップ